9月に入る頃には暑さも一段落しましたね。
猛暑から一転、涼しい日が続いていますので体調には皆様、ご自愛ください。

さて今回は最近、何かと話題の【ハイレゾ・オーディオ】を体感してみます。
以前の記事でも何度かオーディオ関連のネタをやってきましたが、わたくし、elmarはオーディオマニアでもあります。
モバイルでのオーディオにはあまり期待していなかった事もありちょっと油断しているあいだに世の中は【ハイレゾ】対応製品が増えてきて
しかも 「お も と め や す く」なっています。
これはマズい、初代カセットウォークマンから使い始め一時はDATを使っていたのに取り残されているではないか!
対応機種をゲットしてハイレゾ体験をしなければっ!

実は私をそそのかしたのはこの製品でした。
IRIVER JAPAN Astell&Kern AK120II
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買取にお持ちいただきましたのでその動作確認を行いました。
その際、チェック用で使っているMP3音源を転送して再生したときにかつてない衝撃を受けたのです!

ぐわー、今まで聴こえなかった細かな音が聴こえてくる!
シンバルの余韻やコーラスの息づかいが聴こえる!
イヤホンは自分で通勤用で使っている「beyerdynamic」の「MMX100」で試したのですが正直このイヤホンがここまでの実力を持っているとは思わなかったです。
このときの音源は「BON JOVI」の「You Give Love A Bad Name」で数年前に出たベスト盤のうちの一曲です。
強めのコーラスで入る曲ですが、いつもiPodやAndroid タブレットで聴くよりも歌っている人数が違うような印象を受けます。
他のスタッフに各自が普段使いしているヘッドフォン、イヤホンで試してもらうと確かにやはり「スゴイ」という意見が多かったですね。

それもそのはず「Astell&Kern AK120II」はDAコンバーターをチャンネルごとに1つづつ使っているうえGND、つまりアースラインも独立させるデュアルモノラル構成。
左右の音声を切り分けてDA変換するためよりはっきりと聴こえるわけですね。
ハイエンドオーディオではパワーアンプを左右別々に投入する事もありますから確かに理にかなった構成です。
DA変換後のアナログ部も非常に凝った構成になっていて単体ヘッドフォンアンプを凌駕するSN比とサウンドの鮮鋭度を持っています。
そのためこの機種は非常に高価になっています。
定価では250,000円くらいになりますね。
高いか安いかの判断はこの音を聴いて後戻り出来るかどうかにかかってきます。
じゃんぱらでも時々入荷しますので通販ページをご覧下さい。
在庫があればこちらをクリックすると表示されます。
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おーっと、9月1日現在、在庫2台あります。

またweb会員にご登録いただければ「入荷お知らせメール」の登録ができます。
これは商品名を登録しておき、その商品が入荷したらお客様のメールアドレスにお知らせが届くという便利なツールです。

はからずも深淵を覗いてしまった。
私はダメ。。。。
我慢できません。とはいえ、先立つものがないのであります。

ポータブルオーディオとしては初代iPodが発売されてからApple系を使い続けてきているelmarですがここで決断をしなければなりません。
なぜなら現時点ではiTunesはハイレゾ音源に対応していないのです。
ハイレゾ音源を聴くなら他のメーカーの機種を選ばざるを得ないのが悲しい現実。
iPhone6が発表される頃には何か変わるかも知れませんけれども。

さてここらでおさらいしてみましょう。
ハイレゾって一体なに?

※ここではいわゆる「ハイレゾ・オーディオ」を【ハイレゾ】、音源を【ハイレゾ音源】と表記します。
言葉の意味でいえば「High Resolution」つまり高解像となりますから広義では音響でも映像でもあてはまります。
海外では映像は「 High Definition」【Hi-Def】として呼ばれる事が多いかもしれません。
CDの規格を超える情報量を持つ規格と言う事です。
簡単に説明すると、音声そのものはアナログ波形ですが録音時にこれをデジタル信号に変換します(D/A変換)
CDの場合44.1kHz/16bitでD/A変換を行います。
ハイレゾ音源のサンプリングレートは96kHz/24bit以上あります。
44.1kHzの倍以上の細かさでデジタルに変換していますから再現出来る音声の帯域も広がるうえ、よりなめらかに聴こえるようになるわけです。

録音されたメディアはエジソンの蝋管から始まってSPレコードからLPレコードと移り変わっていきました。
CDが発売されたのが1984年ころだったかと思いますが当時は驚きを持って迎えられました。
アナログレコードでは難しかった無音から立ち上がってくる音や圧倒的な左右のセパレーション、小さな音から大きな音まで歪みなく再現できるのです。

それまではレコードに誤ってキズをつけてしまったり、静電気でよってくるホコリで「プチ、パチ」と余計なノイズが出たりして取り扱いには神経を使いました。
CDは多少の汚れやキズは問題なく再生でき、選曲も一瞬です。今ではほんとに当たり前の事ですが本当にエポックメイキングだったんですよ。
と、脱線しました。

話を戻すと
【ハイレゾ】で録音された【ハイレゾ音源】は以前からパッケージメディア(SACD,DVDオーディオなど)で販売されてきましたが最近はネット配信が主流になりつつあります。

主なハイレゾ配信サイトはこのあたりでしょうか。

e-onkyo
老舗の配信サイト。オーディオメーカーらしくハイレゾに特化したサイト。

SONY mora
こちらもソニーが畝医するサイト。豊富なジャンルを網羅しています。

HD Traks
アメリカの歴史あるサイト。オールジャンル扱いあり。

Linn Records
ハイエンドオーディオメーカー「Linn」の運営するサイト。かなり早い時期から配信をしていました。

その他、様々なサイトがありますので探してみてくださいね。
海外サイトの中には日本から購入出来ないアイテムがある場合もありますのでご注意ください。
ダウンロードでの購入価格は通常のCDよりお高めとなっています。
だいたいCD2,000円に対してハイレゾ2,500-3.500円くらいでしょうか。

さて、何を聴こうかとブラウズしていて気がつくのは過去の音源の豊富さです。
もちろん最新の機器を使って録音、編集されたものは高音質で素晴らしいのです。
とはいえ、好きな音楽をじっくり聴きたいので自然と昔から聴いている音源に傾いてしまいます。

まず購入サイトにアカウントを作成します。
クレジットカード情報などの入力を行って登録します。
今回は「e-onkyo」さんで購入してみました。

まずはJAZZ ピアノの名盤から
Bill Evans Trio
Waltz foe Debby」から「My Foolish Hart」を選びます。
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カートインしてダウンロード。
(サイトによってはビットレートやファイル形式が選択できます。)

オーディオで聴く場合はパソコンから高音質で出力できるUSB方式のD/Aコンバーターを使用するのが一般的ですね。
この製品群もものすごい種類がありますのが今回はスルーします。

ダウンロードしたら携帯プレーヤーに転送して。。。。

と、ここでiTunesが対応していない事に思い当たります。
ハイレゾ対応プレーヤーも最近は安くなった製品が増えてきています。
選んだのはこれ!
SONY NW-F885 (ブルー)
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ハイレゾ対応ウォークマンとしてもAndroid端末としても活躍できそう。
じゃんぱらでの在庫はこちらからどうぞ。

Macで使用しますので転送ソフトウェアをインストールします。
Windowsの場合はXアプリですね。
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転送完了!
早速、試聴してみましょう。
ヘッドフォンは「AKG K404」を使用しました。
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1956年、ニューヨークのヴィレッジバンガードでのライブ録音。
モダンJAZZの名盤の一つですね。
ゆっくりと目を覚ますようなタッチでピアノが入ってくるのですが
その立ち上がりがスムースです。何と言うか、音の粒立ちが細かくて従来のCDで聞ける以上の奥行が感じられます。
ドラムのブラッシングの質感がやはりCDとは違いきめが細かく聴こえます。
ライブ録音ですが、JAZZバーなので観客のざわめきが多く入っていてこれも試聴ポイントになります。
食器の音や話し声もよりはっきり聴こえます。

このようなアナログ音源ではマスタリング時期や方法で音質は変わってきます。
何十年も前に録音されたものですのでマスターテープ自体が劣化してしまう事があります。
この音源にもいくつかのノイズやドロップアウトがあるようです。
オリジナルアナログレコードの初期プレスであればこの劣化は最小限になる可能性がありますので市場では非常に高値で取引される傾向があります。
このレコードのオリジナル版はさすがに手許にありませんが(なにせン万円しますから!)オリジナルLPが手許にある音源でちょっと比較してみます。
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アナログ再生はガラード401プレーヤーにSME3009、Ortfon SPUという構成。
(かなりジャズ向けの構成であります。)
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Nirvana
Nevermind
いわずと知れたグランジの名盤。
いまや伝説となった故カート・コバーン(コベイン)の才気が凄まじい。
A面1曲目の「Smell Like Teen Sprit」をアナログLPから録音したものとハイレゾ版をダウンロードしたものと比較試聴してみます。
手持ちの「EDIROL UA-3FX」を用いて48KHz/24bitに設定してリニアPCMでマスタリング。
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ハイレゾは96KHz/24bit ファイル形式はFlacを購入しています。
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サンプリング周波数がイコールコンディションでないので厳密な比較ではありませんが傾向は聴こえてくるはずです。
録音はロックミュージックの伝説の一つ【SOUND CITY STUDIO】で行われています。
イントロから懐かしさがあふれてしまうのですが、さすがにCD時代の録音なので甲乙つけがたい印象です。
強いて言えばハイレゾ版はギターのソリッド感が増してよりシャープな印象。アナログ版は左右のセパレーションが狭い事もあり音に塊感があってグランジらしい印象です。

もう一枚試してみます。
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The Police
Synchronicity
1983年発売のポリスのラストアルバムにして「見つめていたい」を含む大ヒット作品です。
ハイレゾ版はe-onkyoから購入。アナログLPはelmar所有のUS版です。
SIDE2を聴いてみるとスティングの奏でるベースのうねり、スチュアート・コープランドのスネアの抜けとアンディ・サマーズの鉄壁のリフが印象的。
king of Pain」のイントロからヴォーカルが入ってくるところがまさにマイクの前に一歩踏み出してくるよう。
このあたりの空気感がハイレゾ版のほうが柔らかく感じます。

前述のNirvanaもそうですが元々の録音はアナログとなっているようです。

そういえば、昔のCDにはこんな印刷がありました。
1.「AAD」アナログ録音→アナログミキシング→デジタルマスタリング
2.「ADD」アナログ録音→デジタルミキシング→デジタルマスタリング
3.「DDD」デジタル録音→デジタルミキシング→デジタルマスタリング
4.「DAD」デジタル録音→アナログミキシング→デジタルマスタリング
このように元の音源がアナログでも編集をデジタルで行うかアナログで行うかで呼び方が変わってきます。
一般的には1はリマスター、2はリミックスと呼ばれます。
もちろん、3はデジタル録音された通常のCD。

4はデジタル録音をしながらあえてアナログミキシングを行ったものです。
デジタル化初期は設備の問題もあったでしょうが現代においてはアーティスト、エンジニアのこだわりを表現する手法としてもアリみたいです。
一口にハイレゾ音源をダウンロードするといってもマスターとマスタリングに注意しないと高価で普通の音源を購入してしまう事があります。
たとえばオリジナルマスターがないためコピーされたマスターをリマスタリングしてハイレゾ化してしまう場合があります。
大手サイトであれば安心とは思いますがダウンロード前に必ず注意書きを確認しましょう。
じゃんぱら渋谷宇田川店はヘッドフォン、ポータブルオーディオ専門店舗として展開していますので興味がございましたら覗いてみてくださいね!
本来のハイレゾの醍醐味を味わうにはポータブルDAC/ヘッドフォンアンプがあるとさらに美しい音が聴けるはず。
プレーヤー内蔵のアンプ部はよほどの高級機でない限り物足りない造りです。
じゃんぱらではヘッドホンアンプも鋭意、買取および販売しています。
在庫はこちらからご覧いただけます。

それでは楽しいハイレゾ生活を!
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各種音源を詰め込んで出かけたところでウォークマンを落下させてしまい、キズつけてしまいました。
ケース買っておけばよかったー、、、。

以上、ちょいと凹んだelmarがお送りました。