高校生の時に一眼レフに初めて触れてから早十数年。
自分専用のカメラを買ってもらったのを含めると二十数年経つGAhackがカメラのイメージセンサー(以降センサー)の簡単なお手入について語らせていただきます。

デジタルになってからはCanon EOS Kiss X5を愛機として使っていて、センサーがミラーの裏側にあるため、センサーのホコリとはほぼ無縁のフォトライフを送っていました。
しかし、最近Sony α7iiを追加購入した所、レンズ交換時にセンサーが剥き出しのため早速ホコリの洗礼を受けてしまいました。

まずはこの画像を見てください。

α7ii+SAMYANG 12mm f2.8 AS NCS FISH-EYE シャッタースピード1/6 F9くらい
左の方に黒い物が見えるかと思います。(赤く囲った部分です)
これはスカイフィッシュとかのUMAの類ではなく、センサーに付着してしまったホコリなんです。
一度センサーにホコリが付着してしまうと、この後撮る写真は全て同じところに黒いホコリが写り込んでしまいます。
フィルムカメラの時代であれば、1枚撮るごとに記録部分が変わるためこんなトラブルも無かったんですが、デジタル時代に成ってからは風景を記録する部分であるセンサーはカメラが壊れるまで一緒なので、同じところに同じホコリが写り込んでしまいます。
(機種によりますが)最近のカメラは起動時or終了時にセンサーを震わせてホコリを落とす機構がついているので、微細はホコリであればこの機能で取れることもあるようですが、基本的にこの機能はお守り程度に思っておきましょう。

ここまで読んで、もしかして自分のセンサーにもホコリが乗っているのでは!?と気になっている方も居るはずです。
そんなあなたは一度下記の手順でセンサーのチェックをしてみてください。

まずはモードダイヤルを絞り優先モード「AV(もしくはA)」に設定します。
※TvやMモードでも可能ですが、露出設定等多少面倒事が増えてしまうので、AVモードでの操作をオススメします。

次に、コマンドダイヤルを回してF値が11以上になるようにしてください。
最後は、遠くにある光の当たっている物にレンズを向けシャッターを半押し、そのまま近くの明るい白い壁に向かってシャッターボタンを切ってください。
すると、センサーにホコリが乗っていたり、汚れていたりすると最初の写真のように黒い物が写り込んでいるかと思います。
写り込んでいない人はおめでとうございます。センサーはきれいなままのようです。
残念ながら写り込んでしまっている場合は、次の方法で清掃を試みましょう。

まずは、清掃にあたりセンサーを見える状態にする必要がるので、一眼レフを使っている方は設定の中にある「手動でセンサークリーニングをする」といった文言の所を選択しミラーアップをしましょう。
※機種により表記は違いますが、一眼レフなら必ずセンサー清掃を行うモードは有るので説明書を参照してください。
また、センサークリーニングを行う際はバッテリーはしっかりと充電しておいてください。バッテリーが少ない状態ではセンサークリーニングモードに入れない場合もあります。

ちなみに、センサーはデジタルカメラの心臓部なので、ここからの作業は丁寧に行いセンサーを傷つけないように気をつけてください。

さて、センサーが見えるように成ったら最初にどこにホコリが着いているのかを確認しておきましょう。
簡単な確認方法は、先程撮った写真のホコリの位置を参考に見ると見つけやすいと思います。

小学校で習った虚像についての復習になりますが、カメラというのは実際の風景を逆さに取り込み、センサーに投影し現像するように出来ています。
そういうわけで、最初の写真を例にするとセンサーの中心点を通って対角の場所にホコリが有るはずなので、下記の写真のようにセンサーの左下の方に付着しています。

この小さなホコリが写真に影響を与えてしまっているので、取り除いてあげれば良いのですが、先程書いた通り心臓部分なので一度傷を着けてしまうと取り返しの付かないことになってしまいます。
まずは、風を使ってホコリを飛ばしてみましょう。
道具はカメラを使う人なら必ず持っているブロワーを使います。

センサーが下になるようにカメラを持って、センサーに向けて風を当ててあげると、簡単なホコリであればコレだけで取れてくれるハズです。

幸い今回はホコリが付着してからすぐだった事もあり、すんなりと取れてくれました。

今回はブロワーだけで取り除けましたが、ブロワーの風だけで取れない頑固なホコリに対しては専用の器具を使っていくことになります。

これは「イメージセンサークリーニングキット O-ICK1」という、リコーのサービスセンターの人も使っているプロ御用達のセンサーを清掃するための道具です。
ちなみに、じゃんぱらのカメラ強化店舗ではこのクリーニングキットを使ってセンサークリーニングを行うようにしています。

このキットはホコリを取り除くための専用のスティックとスティックの先を清掃するためのクリーニングシールがセットになっています。
使い方は簡単で、スティックの先のペタペタするオレンジ色の部分をセンサーに軽く当て、ゆっくりと引き抜いた後、クリーニングシールで棒の先のホコリを取り除くだけです。

スティックはこの様にセンサーに対して直角に乗せるだけです。この時に間違っても左右に動かしたりグリグリと押し込んだりしないでください。また、一度センサーに乗せたスティックはシールで清掃するまで、センサーに再度乗せないでください。

センサーから引き抜いた後は、シールにスティクの先を押し当てて、付いてきたホコリをシールに移しましょう。この時の注意点は一度押し当てた部分に対し2回以上押し当てないことです。せっかくセンサーから取り除いたホコリが棒の先に付いてしまい、スティックを当てた際、センサーを傷付けてしまう可能性があります。
スティックをセンサーに置く引き抜いてシールでホコリを取るスティックをセンサーに置く→・・・これを繰り返してセンサーのホコリの除去を行っていきましょう。
ある程度行った後は、先程ホコリがあるかを見た手順で、きれいになっているかを確認しましょう。

※イメージセンサークリーニングは適切に行わないと映像素子にダメージを与える可能性があります。
万一の不具合、トラブルについては一切の責任を負いかねます。作業にあたっては自己責任でおこなっていただくようお願いします。

ここまで行ってもセンサーの汚れが取れなかった場合は、シルボン紙と専用の液体を使いセンサーを清掃する方法もありますが、正直オススメはしません。
下手をするとセンサーを傷つけてしまう可能性もありますし、傷をつけなかった場合でも拭きムラが出来て写真に影響を及ぼす可能性もあります。
O-ICK1を使って取り除けなかった汚れがある場合は、諦めてサービスセンターへ問い合わせて清掃をしてもらいましょう。
利用中のカメラメーカーにもよりますが、大体3000円程度でセンサー清掃を行ってくれる所がほとんどです。

センサーの清掃について書いてみましたが、まずはセンサーにホコリをつけない予防が大事です。

レンズ交換時は、カメラのセンサーを下に向けてレンズ交換を行うことで、ある程度ホコリの付着を防ぐ事が出来ます。今回ホコリが沢山付着していた方はレンズ交換時にはセンサー部分を下に向けて交換する癖をつけましょう。これだけでホコリの付着をかなり防げます。
また、ミラーレス一眼を使っている方は上記の方法はもちろんとして、レンズ交換時に必ず電源をOFFにするようにしてください。電源をOFFにすることで、静電気等によるホコリの付着を防ぐことが出来ます。
基本的なことではありますが何事も基本は大事なんです。

これから花の季節になるので早めにセンサー清掃を行って気持ちよく撮影を行いましょう。

センサーがきれいになったので本当はきれいな青空の写真を撮りにいく予定だったのですが、休みの日が見事に曇り空や雪に成ってしまいました。カラッと晴れた青空の日には風邪で寝込んでしまい、なかなか撮影に行けずブログの順番が回ってきてしまいました。
このままでは悔しいので、青空の日の撮影に行った気分になるために、写真のレタッチ作業で最初の写真をきれいにしておきました。
今回は、手軽にフォトショップを使ってしまいましたが、オンライン上で使える「SumoPaint」等の無料Toolでもコレくらいのホコリであれば簡単にレタッチもできます。

SumoPaintのスタンプツールを使って消し込むことも可能です。

フォトショップ等の写真編集ツールを使えばセンサーのホコリによる写り込みを取り除く事も出来ますが、これは最終手段として基本はセンサーの清掃でホコリの除去を行っておきましょう。

新しいレンズも仕入れたので次回の休みこそ青空と、あわよくば河津桜の撮影の為に、体調管理を万全にしているGAhackでした。

今回撮影に協力してくれたカメラ達の在庫状況です。
SONY α7シリーズ
CANON EOS Kissシリーズ