今年は寒い日が多かったり大雪が続いたりと大変ですがいかがお過ごしでしょう。
elmarはかろうじてインフルエンザにはかからずに乗り切れそうです。
さて、今回お送りするのは【超望遠レンズ】についてです。
一眼カメラを始める時はいわゆるレンズキットだったりダブルズームキットなりを購入しますよね。
おそらく身の回りのだいたいのモノはこれで撮れるはずです。
フィルムカメラの時代なら標準レンズとして50mmクラスの単焦点、ズームレンズなら35-70mmまたは28-70mmレンズが定番。これに80-200mmズームを加えればその日からカメラマン気取りができました。
デジタルカメラ時代になった頃の一眼レフは一部のプロ機を除いてAPS-Cサイズが多くセットレンズは18-55mmあたりで35mmフィルム換算で28-80mm相当。F値も3.5-5.6など大きくボカしたりするにはちょっと役不足。
ダブルズームキットでついてくる望遠ズームレンズは55-200mmクラスつまり80-300mm相当が多く望遠側なら結構楽しめるキットになります。
運動会やスポーツイベントを撮影するなら「それなり」に撮れます。でもそこは入門セットの怖さと人間の欲求でどうしても「もっと望遠撮影したい」とか「もっと広く撮りたい」となってきます。
私もフィルムカメラ時代に始めた頃は50mmの標準で楽しんでいて35−135mmくらいの高倍率ズームを追加してもの足りず300mmF5.6の単焦点を購入するなんて道を辿りました。
視線が延長されていく事によって撮りたいものも変わっていき野鳥を撮ったり、カーレースを撮ったりしてました。
恐ろしくも人の欲望とか欲求に際限がなく遂には300mm F2.8、500mmF4.5なんていう超望遠レンズに手を出してしまった事も。
その時代の作例の一つ。TAMRON 300mm F2.8を使用。
LEYTONHOUSE CG891 ドライバーはマウリッシオ・グージェルミン。
鈴鹿サーキットS字コーナー入り口あたりだったと記憶しています。
1990年代にはこのようなレンズは憧れであり高嶺の花でしたがひもじい思いを続けてなんとか手に入れてうまく撮れたときには感動モノでした。(膨大なフィルムの消費があったことはさておき)
時は流れ、現在はマイクロフォーサーズ規格のカメラを望遠用途に使っています。
【OLYMPUS M.ZUIKO DIGITAL ED 75-300mm F4.8-6.7 II】
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このレンズは500mlのペットボトルくらいの大きさで最大300mmの望遠ズームです。35mmフィルム換算で150-600mmという超望遠ズームなんです。
その割に423gの小型軽量さが大変魅力的なレンズです。
OLYMPUSのE-M5に装着するとこんな感じ。
ワイド端の75mmにした場合。
テレ端の300mm側にすると結構伸びますが前玉が極端に重くて重量バランスが崩れる事も無いように感じます。
OLYMPUSには単焦点の【M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO】もありますがレンズ単体が重い上に高価でもあります。もちろん、単焦点の利点として高画質とF4の明るさは大きな魅力なのでいつか欲しいレンズですね。
超望遠レンズを使う時にもっとも気をつける点はブレです。
最近はボディー内やレンズ自体に手ブレ補正機能が搭載されていてかなりのアシストをしてくれるのですが被写体は止まっているとは限りません。
1.換算600mm!超望遠の世界
OLYMPUS E-M5 M.ZUIKO 75-300 F4.8-6.7 II AV F8 1/160 ISO 400
こんな風に獲物を狙って飛び立ったりしますからね。
昨今のデジタルカメラの高感度特性は非常に高くなっていますのでISO800くらいではさほど画質が荒れない機種が多くなっています。
撮影する時の明るさにもよりますが1/250秒以上が切れるように意識してISO感度や絞りを設定しましょう。
もちろん、スピード感を出すため流し撮りをするなどの撮影意図があればもっと遅いシャッター速度でも構いません。ただし、失敗のリスクも多く発生しますのでご注意ください。
作例をいくつかご覧ください。
このときは突然、白鳥が現れました。慌てて撮影したのでシャッター速度が速いままです。(残念)「流し撮り」をするには1/60秒以下が良いかもしれません。
カワセミは翡翠とも書きます。コバルトブルーの羽毛が美しいです。下嘴が赤いのでこの個体はメスのようです。このレンズは超望遠レンズとしては軽量なので取り回しがよくフットワーク軽く撮影できます。
獲物を狙うコサギ。【M.ZUIKO 75-300mm F4.8-6.7 II】は望遠ズームレンズですからピントを合わせた所の前後は大きくボケます。ここで注意したいのは最大望遠にしても300mmなので換算600mmでもボケかたは300mmです。仮にフルサイズ用の600mmで同じ状況で撮影したら背景はもっと大きくボケるでしょう。
天体望遠鏡とまではいきませんが月の撮影などで利用できます。1月31日の皆既月食を撮影してみました。
もっとも食(蝕)が進んだ段階。三脚に据えて1秒の露出を与えています。
徐々に食(蝕)が明けてきた段階。明るさが刻一刻と変化していきますので露出は食が明けていくにしたがってシャッター速度が速くなっていきます。
月の表面がよく見えるようにトリミングをしています。大きなクレーターや「雲の海」が確認できます。
2.レンズによる画角の変化
マイクロフォーサーズ機で25mmは換算50mmの標準レンズ。
【M.ZUIKO 75-300mm F4.8-6.7 II】を使って同じ場所から撮影してみましょう。
このレンズのワイド端75mmで撮影。換算150mmの中望遠領域ですね。
中間位置の150mm。換算300mmの望遠ですね。
テレ端の300mm。換算600mmの超望遠。標準レンズの画角で撮影したものと比べてみるといかに拡大できているかよく分かりますね。
3.テレマクロレンズとしても有効
このレンズの最短撮影距離は焦点距離75mmで0.9m、焦点点距離75mm以外は1.5mとなっています。
1.8mほど先にある梅の花を撮影しています。背景のピンクは紅梅と白梅でボカすとイイ感じにピンクになってくれます。マクロレンズだともっと寄れますが柵などで被写体に近づけない場合に有効利用できます。
メジロが梅の蜜を吸いに来ているところを撮影。メジロは小さな鳥で忙しく動き回るのでシャッター速度を稼ぐためISO感度を上げています。このカットは1/250秒で撮影。
距離を置いて撮影できるのでノラネコの自然な表情を狙ってみました。目線が向いたほうにスペースを取ると構図が安定します。
4.圧縮効果
望遠レンズになるほど遠近感が圧縮されていきます。逆に広角レンズを使うと遠近感が誇張されます。標準レンズの画角が人間の視覚に近いので最も自然に見えるのですが望遠レンズで撮影すると距離感が薄れていっていわゆる「書割」のような印象になります。
千葉県稲毛海岸より東京湾を臨みます。ビルが林立しているとまるで蜃気楼のように現実離れした印象です。風の強い日は空気の動きは激しいので遠くのものはモヤモヤした写りかたになる場合があります。
上のカットとは反対側を狙っています。逆光で光る海の向こうに工業地帯が浮かんでいます。海がせりあがって見えるようです。
【まとめ】
望遠レンズは遠くのものを大きく写せるのが最大の魅力です。最近はスマホでも10倍ズームレンズなどを搭載している機種もありますが、やはり一眼カメラで撮影するとしっかりと写ります。一眼ならではの背景が美しくボケた写真をなんら加工する事なく残せます。
撮りたいものとの距離を縮める・・・。そんな事が出来るのも望遠レンズのいいところですね。
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【おまけ】
昨年生まれたパンダ「シャンシャン」を撮影しに上野動物園に行ってきました。
「動かない鳥」として人気なハシビロコウさん。なんとなくお店の入り口でお出迎えしてくれてる雰囲気ですね。
鮮やかな羽毛が美しいです。動きがシンクロしているように見えます。
この日はとても寒く、午前中は雪がパラつくほど。サルも寒そうに丸まっています。
日頃の行いが良くないのか?私の順番が回ってきた時シャンシャンは夢の中でした。
パンダ舎の中は結構暗いので曇りの日などはISO 3200くらいまで上げたいですね。上の写真の場合でシャッター速度1/160秒前後なので手ブレ補正がなければ悲惨な結果になっていたでしょう。
ともあれパンダは無条件に可愛いのでまた撮りに行ってきます!
以上、elmarがお送りしました。