みなさん、こんにちは!
今回は数十年ぶりに更新されたスタジオモニターヘッドホン【SONY MDR-M1ST】をご紹介します。
スタジオモニターヘッドホンとは普通のヘッドホンとどう違うのでしょうか。
SONYさんのサイトに詳しくありますがスタジオでミュージシャンやエンジニアが使用するヘッドホンです。
一般的なヘッドホンとは違いレコーディングの現場で使用される前提のため音質についてはシビアで色付けの無いサウンドが求められます。
またプロの酷使に耐えられる耐久性および故障時のメンテナンス性、部品の供給体制なども重要です。
1989年に発売された【MDR-CD900ST】はデジタル世代に対応したモニターヘッドホンとして長年、親しまれてきました。
オーディオのソースがレコードからCD、ハイレゾと進化を続けていくなかずっと第一線で活躍してきたヘッドホンですね。
モデルチェンジというわけではないようで【MDR-CD900ST】も継続して販売されるそうです。
それでは新製品の【MDR-M1ST】をみていきましょう。
パッケージはいたってシンプル。
簡単な冊子と2.5m長の6.3mm標準フォーンプラグ専用ケーブルが付属します。
ご覧のようにハウジングが折りたためる「スイベル機能」の採用も目新しい点です。
ケーブルが取り外しが可能でネジで強固に固定できます。
これはとても重要なポイントで、プラグ形状とアサインが分かればリケーブルが可能になります。
MDR-CD900STはケーブル直出しだったため、分解してケーブルを交換するのが流行りました。
ショップによっては公式に3.5mmピンプラグケーブルに交換した商品を販売している場合もあるほど。
【SONY MDR-M1ST】はケーブルを脱着可能とする事により、そんな自作の楽しみを奪い、リケーブルの楽しさを味わせてくれます。
このケーブルの端子はSONYの民生用ヘッドホンMDR-1シリーズと同様の割り当てになっています。
SONY純正はもちろん、サードパーティの様々なケーブルも試す事が出来るわけでそれだけもワクワクものです。(のちほど試します)
ヘッドホンバンドの左右には色付きでL、Rの表示があります。
この辺りはCD900ST同様ですね。
L側ヘッドバンド裏側に「MADE IN JAPAN」の文字があります。
実際に日本国内でハンドメイドで生産されているそうです。
ヘッドバンドは柔らかい素材で作られていてCD900STより優しくフィットします。
ハウジングにポートが空けられて音質向上に役立っているようです。
イヤーパッドは分厚い形状ではなく軽く装着でき長時間の使用も苦になりません。
イヤーパッド内側に縫合が見えるほうが下側の向きのようです。
L側ハウジング部にはポッチがあり、手探りでも左右の判別ができます。
イヤーパッドを取り外すとこんな感じです。
あらたに設計された40mmドライバーユニットが見えます。
取り外したイヤーパッド。
ヘッドバンドの繰り出し量が明示されてるのもいいですね。
装着位置で聴こえ方が異なる事はよくありますから目安として記憶しておくと試聴を繰り返すときなど便利です。
このあたりはやはりプロ向けの証しなのでしょう。
付属するケーブルは6.3mmステレオ標準プラグです。
ポータブル用途には6.3mmを3.5mmに変換するアダプタを利用します。
手持ちにあったオーディオテクニカのアダプタで試してみます。
このように装着しますがコネクタ部分が長くなりますし持ち歩きには向かないかもしれません。
ONKYO DP-X1で試聴開始。
ハイレゾファイルで定番の「Hotel calfornia /Eagles」を聴いてみます。
冒頭のイントロのギターとベースの分離がよく特に低域の存在感が際立ちます。
ドラムとヴォーカルが入ってくると人の声がくっきりと浮かび上がってきます
多数のギターが入った音源ですが各ギターの音色が聞き分けられるよう。
音質傾向としてはやはりフラットで楽器の音がそのまま伝わってくる印象です。
MDR-CD900STを聴いた記憶より明らかに解像度が増し、帯域も広く聴こえます。
特に低音がよく出るようになった印象が強いです。
購入したばかりなのでエージングされていないのでは?という見方もありますが経年で音色が変わってしまってはプロ機としては失格のはず。
多分、変化はあまりしないのではないかと推測します。
あとは聴いて試してみます。
またお会いしましょう。
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と、このまま終わってしまっては普通の【新製品レビュー】です。
【じゃんぱら店員に聞け+】の使命を果たさなければなりません(苦笑
冒頭で書いたようにこの機種はケーブルの脱着が可能です。
ケーブルは事前に調べたところ【MDR-1A】シリーズと共通の規格であるとの事。
どうせならバランス接続ケーブルを試したくなるのが人情。
SONY純正なら4.4mmバランス標準プラグ対応の「MUC-S12SB1」がよいですが手持ちのプレーヤーONKYO DP-X1は2.5mmバランス出力端子のため使用できません。
というわけで【SONY4極<>2.5mmバランスケーブル】を購入。
無酸素銅ケーブル使用とうたわれたものでもネット上なら2500円以下であります。
このケーブルはちょっと細いので本格運用の際は少し補強しようと思います。
DP-X1に接続してバランス接続を選択。
OKを押して準備完了。
試聴の際には必ず使用している「交響組曲 AKIRA 2016」から「KANEDA」を聴きます。
冒頭の大太鼓から波動が周囲に拡がっていく空間が大きく感じられ各打楽器の定位もよりはっきりと聴こえてきます。
バランス接続にする価値は必ずありますのでぜひ体験していただきたいですね。
Bill Evans Torio / Waltz for DebbyよりMy Folish Heart
これもおなじみの音源ですがやはり奥行感が違います。
古い録音(1961年)なのでノイズも多いのですが隠さず描出され空間に溶け込んでいるように感じられ、個人的には演奏中は気になりません。
DP-X1のバランス出力にはこちらのように2種類あります。
パワー重視のBTL駆動と安定性重視のACG駆動です。
ACG駆動で聴いてみるとBTL駆動より緻密な音になる印象があります。
緻密な音という事で次に聴くのはY.M.O.です。
「RYDEEN」(2018リマスター)
超大ヒット曲ですが、じっくりと聴いていくと緻密に作り上げ演奏されている事がよくわかります。
流行っている頃にはもっと「ピコピコ」音に聴こえてどちらかといえば苦手な分野でしたが改めて聴きこむと「ロック」である事を再認識できます。
「BIHIND THE MASK」(2018リマスター)
YMOの曲としてはわかりやすくノリの良い曲。
後にマイケル・ジャクソンやエリック・クラプトンもカバーした事があります。
キーボードの音がたまりません。
・・・しかし、ジャケ写、皆さん若いなぁ。
この【MDR-M1ST】は業務用での使用を前提としており民生機器のような保証はありません。
全て有償での修理となりますのでリケーブルや他社製アクセサリを組み合わせての使用はすべて自己責任となります。
故障した場合でも有償での修理となりますのでご注意ください。
本文中に記載したような行為を行って発生したいかなる不具合も保証致しかねますのでよろしくお願いします。
以上、elmarがお送りしました。
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