はやいものでもう12月も半ばを超え、大変だった2011年もわずかになりました。
お久しぶりです、elmarです。

3月11日の震災からはや、9ヶ月。未だに傷跡も多く残り、原発も安定しつつあるとはいえ
予断を許さない状況です。
困難な時代ですが人と人の「絆」を大事に生きていきましょう。
さて、そんな辛い時代に少しでも潤いをっ、て事で今回は音楽を楽しく聴いてみたいと思います。
以前も少しお話しした事がありますがelmarはカメラ好きでもありますが長年のオーディオマニアでもあります。
オーディオを始めた頃はCDすら存在していなく、LPレコードが主なソースでした。
FM放送をエアチェックしてカセットテープに録音して
ライブラリを作ったり、お気に入りの曲を集めてドライブ用カセットを作ったりとか彼女(いればね)にプレゼントする事がカッコいい時代でもありました。
現在では考えられないですがオーディオ専業メーカー以外にも家電メーカーもこぞってシステムコンポや単品コンポの製造、販売をしていたものです。
初めて買ったシステムコンポはSANYO製だった事を憶えています。

そんななか1982年、コンパクトディスク(CD)プレーヤーが発売され時代は一気にデジタル化のうねりへ。
発売当初は20万円前後したCDプレーヤーでしたが加速度的に低価格化されていきます。
そしてCDを中心としたコンポ/ミニコンポが次々と発売されて浸透していきました。
それまでマニアが100万円かけてもたどりつけなかった領域をCDはほんのわずかの投資で超越していったように見えました。
私もそう感じていましたし、その当時の大多数の方々がそうだったと思います。
(その何十年か後にこの認識が正しかったかどうか疑念を抱く事になるのですが)

CDは年々進化を続け、CD-ROMとしてパソコンやゲーム機にも採用されていきます。
それまでの5インチや3.5インチのフロッピーディスクと比べて格段に大容量になり、PCの発展に大きな役割を果たしました。
いまではDVDやブルーレイディスクが主流となっていますね。

さて、いつものように(すいません)前置きが長くなりました。

今回取り上げるアイテムはこちら!
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TrendAudio PA-10
http://www.wisetech.co.jp/product/TrendsAudio/product/PA-10.html
真空管式ヘッドフォンアンプです!
24,800円(税込)にて じゃんぱら新宿2号店 で販売しております。
正確には真空管とトランジスタ(MOSFET)のハイブリットアンプとなっています。
真空管といえば昔のテレビやラジオに使われていたりと古めかしいイメージがありますが実は内部で電子を飛ばして動作しているので過渡特性は非常に高いデバイスと言われています。
トランジスタと比較すると出力が低いので質量の重いスピーカーを駆動させるのは厳しいですが高能率のスピーカーを謳わせるには最適かもしれません。
また真空管は微小信号の再現は優れていつと云われていますのでヘッドフォンアンプやプリアンプとして使うのは非常に面白いのではないかと思います、

エレクトリックギターを弾く方はご存知のとおり、【Fender Twin Reverb】【VOX AC-30】【Marshall JTM45】など歴代名アンプは真空管式ですよね。
一時は需要が少なく絶滅してしまうかと思われた真空管ですがギターアンプで多く使われることでまだまだ生産されています。

さて、それでは「PA-10」を詳しく見て行きましょう。
電源はACアダプタ方式で24V出力のものが付属しています。

サイズは非常にコンパクトにまとまっています。
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入力は2系統あります。
CD/DACはラインレベルのソース、PC/iPodはポータブルオーディオやパソコンなどのヘッドフォン出力を接続します。
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付属している真空管は双三極管【12AU7】が付属していました。おそらくGE製。
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内部はこんな感じで非常にシンプル。
ジャンパーを切り換える事により【6DJ8】系の真空管を使用する事ができます。
この場合はバイアス電圧の設定が必要になりますのでテスターを使用しマニュアルにしたがって調整してください。

それでは早速試聴してみましょう
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ヘッドフォンは通勤時などで使用しているAKG K404を使用しました。
安価なもの(4,980円くらい)ですが、折り畳んで持ち運べる密閉型ですので
普段から使っていてクセはよく把握しています。

まずはiPhone4のヘッドフォン端子から直接接続します。

アンプ側の端子はRCAなのでミニジャック<>RCA変換ケーブルを使用します。

試聴したソフトはこちら
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「2Chellos」
ロック/POPの名曲を2本のチェロで演奏していて一時、盛んにTVで流れていたのでお聴きになった方も多いのではないでしょうか。
一曲目の「Where the Streets Have No Name」を聴きます。U2の曲で名盤「ヨシュア・ツリー」の一曲目を飾っていました。
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真空管は暖まるまで本来の性能が出てこないので試聴30分前に電源を入れて充分に暖機しています。
また各部のエージングの問題もありますので本調子になるまでは時間がかかるかしれません。

ヘッドフォンをiPhone4に直接接続したときよりも解像度が増し、弦の音が滑らかになった感じがします。
ともするとヒステリックに聞こえがちな高音域も聴きやすく、音場の見通しもよくなったようです。

ここでDOCKコネクタから直接出力するケーブルに切換えてみます。
以前の記事でiPadをアンプに接続する際に音の変化がありましたので試してみます。
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ケーブルはCD/DAC側に接続します。

やはりこの接続方法がいいみたいですね。
iPhone側のヘッドフォンアンプを経由せずにヘッドフォンアンプ単体で増幅させるのがいいのでしょうね。
さらに見晴らしがよく深みも出てきました。
ユニゾンが重層的に重なりあっていくところはスリリングで、迫力もあります。

このアンプは双三極管1本で2チャンネルを増幅していますのでチャンネルセパレーションは決していい数字ではありません。
大編成のオーケストラよりは管弦四重奏など室内楽をじっくり聴く方がにあっているかもしれません。

つぎに据え置き型CDプレーヤーに接続し本機のプリアウト端子からケーブルを引き出してパワーアンプに送りこんでみます。

あらら、このサイズのプリアンプから出ているとは思えないくらいに「鳴ります」
ラインレベルの信号ならば真空管特有のSN比の低さも気になりません。
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ここらでヴォーカルものをって事でADELEの「21」を聴いてみます。
全世界で1300万枚を売り上げた大ヒットアルバム。
一曲目「ROLLING IN THE DEEP」と11曲目「SOMEONE LIKE YOU」を聴きます。
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最後にチューブアンプ好きで知られるギタリストといえばEdward Van Helan ですが絶好調だった時代のヒットアルバム「1984」を聴いてましょう。
代々木オリンピックプールでの来日公演を観た事があるので懐かしくもあります。

このアンプはソースの特性をそのまま描きだしてくるような感じがします。
VAN HELANのアルバムは音質的には中音域に塊感を演出した印象ですがヴォーカル自体はスッと声が飛んでくるような傾向と思います(あくまで主観ですが)

以前購入したTOPPINGアンプもそうですが中国製の製品のパワーをまざまざと見せつけられました。
どちらも簡単な構造で「SIMPLE IS BEST」を体現しています。
時間が無く、今回は試せませんでしたが次回は真空管の交換、調整をしてどのように音が変わるかをレポートしてみたいと思います。
それではまた!