ようやく入手した NikoncZ fcについて書きました。
28mm f/2.8 Special Edition は個人的には前玉が小さくて萌えない事を除けば文句ない性能のレンズでした。
NikonのカメラにはNikkorレンズが似合うのは当然といえば当然。
しかし
今は多様性の時代。
どんなレンズで撮影したっていいんじゃないですかね。
というわけでこれからやっていきます。
手持ちのレンズをいくつか装着して試してみましょう。
まずはこちら!
■TTArtisan 17mm F1.4C(Sony Eマウント)
以前紹介した同社製35mm F1.4Cのコストパフォーマンスの高さ(約9000円)を受け継ぐ20,000円以下!
絞りもフォーカスも全て手動という割り切った仕様で驚異のコストパフォーマンスを誇ります。
今回は通販限定の刻印モデルを選びました。
SONY Eマウントを選んでいます。
ん、Nikon Zマウントじゃないの?
そう、elmarはSONYユーザーでもあるのでどちらのカメラでも使えるようにしたいんです。
ミラーレス一眼同士でマウントアダプター使えるの?
出来るんです!
そう、このマウントアダプターを使えばね。
Haoge マニュアルレンズマウントアダプター for ソニー Sony E レンズ to ニコン
SONY EマウントレンズをNikon Zマウントボディーに取り付け可能な商品です。
早速、装着。
大きなガタつきもなく無限遠も出ているようです。
レンズに装着する形式なので頻繁にレンズ交換する場合には向きませんが安価(約3,000円)なのでレンズ毎に用意しておくのもいいでしょう。
このアダプターをレンズから外すにはボディーから外した後、赤丸内のレバーを押し込んでアダプターを回転させます。
このためレンズ交換するためにはボディーから一旦取り外さないと出来ないのでご注意ください。
さてそれでは作例をご覧ください。
17mmレンズですからフルサイズ換算26mm相当の画角になります。
パースペクティブを生かした奥行きのある演出が可能なレンズです。
最短撮影距離は0.2mと短く広角レンズの画角とF1.4の大口径を活かした撮影が可能です。
少し絞れば全体の状況を描きつつ主題を際立たせる事も可能。
ボケ味はいわゆる「ぐるぐるボケ」となる場合もあります。
おそらく球面収差をある程度は残しつつ現代にも通用する画質を目指しているような印象です。
絞りこむとシャキッとして使いこなし甲斐のあるレンズです。
F11、F16と絞り込むほどシャッター速度は遅くなり手ブレが発生しやすくなります。
Nikon Z fcはボディー内手ぶれ補正機能は搭載されていませんのでご注意を。
このレンズは絞りの刻みがほぼ等間隔になって35mmより使いやすくなっていると思います。
絞り羽根は10枚構成でボケに絞りの形が出にくい円形絞りのようです。
逆光には弱いので撮影時には光線を読む、昔ながらの撮影スタイルになりますね。
先細りの形状なので「シュッ」としたイメージ。
TTArtisanにはZ fc用としてZマウントのシルバーモデルもラインナップされていますのでZマウントで統一したい場合はこちらもかっこいいです。
■Nikon Nikkor 28mm F2.8
やっぱりこの組み合わせが一番決まる感じがします。
Z 28mm f/2.8 Special Editionのデザインの元になったと思われるNikkorです。
マウントアダプターは純正のFTZおよび新型のFTZIIも用意されておりAFレンズを使用するならそちらが良いでしょう。
しかし、オールドレンズ主体のelmarはFTZまで必要としません。
K&Fの簡単なアダプタでFマウントをZマウントに変換します。
一眼レフ用レンズなのでアダプタの長さがありどうしても間延びした印象になります。
しかしやっぱり、この姿は「ニコン」らしさが溢れています。
F8以上に絞るとニコンらしいカッチリとした描写が得られます。
絞り開放F2.8でも大きな破綻なくしっかりした描写です。
日陰の落ち葉を狙った作例。
F5.6の中間絞り付近ですが輪郭をしっかり描出してくるのはやっぱりニコンレンズですね。
シャドー部の粘りはもうひとつですがコントラストが明快できっちり輪郭を描き出してくるようです。
f11まで絞ると画面全域でキッチリとしたニコンらしいジャーナリスティックな描写が楽しめます。
■ライカ ズミクロンR 50mm F2
ライカのフィルム一眼レフ「ライカRシリーズ」用の標準レンズです。
年代により幾つかのバリエーションがありますがこの個体は第一世代に当たる所謂「先細ズミクロン」です。
レンズ自体は小さめですが重量がかなりあり、軽量なZfcにつけると持ち歩く際にカメラがお辞儀しやすく、テーブルなどにぶつけやすいの注意したいところ。
R用ズミクロンは世代によって描写がちょっと異なり、この世代のレンズは解像度重視のような気がしています。
上野の東京国立博物館にある旧因州池田屋敷表門(黒門)ですがちょっと露出オーバー気味です(汗)
非常に重厚な門で東大の赤門、上野の黒門と呼ばれているそうです。
ライカレンズの魅力は被写体がその物体として写るところでしょうか。
形そのものではなく質感がそれらしく写るという意味なのですがこの噴水のように生き生きした描写が真骨頂です。
陽の当たっているイチョウの葉と影になっている窓に写るイチョウの対比。
シャドー部が潰れないのもライカやツァイス系レンズの持ち味だと思います。
京成電鉄・旧博物館動物園駅の街灯をクローズアップしてみました。
リニューアル後の駅舎なのでオリジナルのものかは不明ですが精緻な金属加工が見てとれます。
ライカRマウントレンズはMマウントレンズに比べて人気がなかったのは昔の話で今では再び高価になっています。
ミラーレス一眼で使用するユーザーが増えているのが要因の一つでしょう。
■ライカ 近接ズミクロン-M 50mmF2
一般的な連動距離計用レンズの最短撮影距離は1m、短くても0.7mですがこのレンズは連動カムを切り替えて専用のアタッチメントを装着すると30cmまで近接撮影が可能です。
M9,M10などデジタル時代のM型ライカには装着できません。
描写はやや甘くなるものの最短撮影距離の描写はとろけそうで美しいです。
このように明暗差のあるシーンでもF5.6以上に絞れば非常にかっちりした描写になります。
夜間撮影ですが様々な光源が混じり合うシーンで、ややコントラストは低いですが雰囲気のある描写です。
M型ライカ用ズミクロンは世代を重ねるごとに高解像度となっていますがこの古いレンズの淡い描写も捨て難いです。
■ライカ ズマロン-M 35mm F3.5
ズマロンは小型軽量なレンズで風景撮影をさせたら右に出るものがないレンズではないかと個人的には思います。
このパリッとした描写がズマロンらしい。
旅行などで失敗したくない時は選びたくなるレンズです。
一部に光が当たっている条件ですがシャドー部、ハイライト部もいい感じ。
Z fcの画像エンジンと相まって手放せない組み合わせですね。
国立科学博物館にあるシロナガスクジラの模型です。
天気の良い日で日陰と日向の明暗差が激しいですが見事に描写しています。
このように期待を裏切らない写りをするのがライカレンズの魅力。
ボカしても絞っても楽しく使えるはずです。
■MC ROKKOR-PF 58mm F1.4
ミノルタ(現コニカミノルタ)SRシリーズ用標準レンズで独特の緑がかったコーティングが魅力です。
どの絞りでも柔らかさを残した描写が魅力でNikkorとは違った味が感じられます。
絞り開放での撮影ですが若干の滲みが愛らしい描写です。
比較的、ゴーストは出やすいのですが現代では美点となるかもしれません。
もちろんF11まで絞れば切れ味を増した描写が楽しめます。
ミノルタ ロッコールレンズは一部のレンズが高騰しています。
それはこのようにしっとりした描写が喜ばれているからかもしれません。
■ RE.AUTO-TOPCOR 58mm F1.4
1963年、世界初のTTL測光一眼レフトプコンREスーパーを送り出した東京光学(現トプコン)の標準レンズです。
現代では当たり前となっているTTL(Through the Lens)測光とはレンズを光をボディー内で測光する仕組みで画期的でした。
この機能が評価され2020年の「未来技術遺産」に登録されているほどです。
前述したロッコールレンズもそうでしたが58mmという焦点距離は35mm一眼レフにとっては大口径標準レンズとしては理想的なようで1960年代の一眼レフではよく採用されていました。
個人的には人物や身の回りのものを取るには最適な焦点距離ではないかとも思います。
開放付近ではややフレアが残りますが芯がある描写なので「フワッ」とした感じではなく存在感が強い描写に感じます。
かつては日本光学(現ニコン)が海軍、東京光学が陸軍主体の開発を行なっていたようで平時にこの二社の製品を合わせて使えるのはやはり幸せな事なのだろうと思います。
曇り空から晴れていく時に見られる光線は美しく儚いです。
「天使の階段」という呼び方もあるようです。
つい、パトラッシュを思い浮かべてしまうのは世代ですかねぇ〜。
まとめ
このように古今東西のレンズが Nikon Z fcのボディーで楽しめます。
良い時代になったと心底思えます。
じゃんぱらでの在庫はこちら。
人気機種&品薄なので在庫は少ないです。
Nikonは新たなフラッグシップカメラZ 9でついにメカシャッターさえ排除しました。
新たな時代が開き始めています。
その中で「カメラらしい」カメラとしてZ fcが存在しているような気がしてなりません。
これからもいろいろなレンズで楽しんでいこうと思います。
以上、elmarがお送りしました。