どうも、Type-CオタクのRudraです。
iPhoneの充電端子がType-Cになる、とささやかれている昨今。
噂だけではなく、EU(ヨーロッパ)では、(2025年より)LightningのiPhoneは販売できなくなるため、遅かれ早かれType-Cが搭載されることとなるでしょう。
生粋のiPhoneユーザは、むしろ「Lightningがなくなると困る…」という方もいるかもしれませんが、ガジェット好きからすると一刻も早くType-Cに変えて欲しいところ。(むしろ遅すぎたくらい…)
ワザワザ変えるんなら、それなりにメリットあるんだろうな!
という方にむけて、iPadやAndroidを例に、Type-Cのスゴさを語っていきます。
Type-Cのメリットを簡単に示すと、こんな感じ。
・現代の多くの機械が共通の充電端子になる
・転送速度があがる(*1)
・充電速度があがる(*2)
・外付けディスプレイやアクセサリーにType-C一本で接続できるようになる(*3)
*1 Thunderboltもしくはギガビット対応の場合
*2 ThunderboltもしくはUSB PD対応の場合
*3 ThunderboltもしくはDP Alt Mode対応の場合
ワイヤレスイヤホンやモバイルバッテリーの充電用のケーブルは大抵Type-Cに統一されているため、iPhoneユーザーでもType-Cのケーブルも一本くらいは持ってる、という方も多いでしょう。
また、Lightningよりもケーブル自体の性能向上が見込めます。
現在一般的に入手できるケーブルとしては、Type-Cは充電、データ転送、その他付加機能において、最も高性能で汎用的なケーブル(規格)です。
充電とデータ転送にしか使えないケーブルだと思ったら大間違い。
でも、Type-Cだったら全部サイキョー! という構図も間違いです。
なにせ、とにかく種類が多い…
ということで、まずはType-Cの種類を軽く解説します。
現状、買うときに気にしておくべきType-Cケーブルは6種類あります(本当はもっとありますが…)。
・充電/データ転送専用(USB2.0)
・USB PD対応
・ギガビット対応(USB 3.0 , 3.1 , 3.2 , Gen x)
・DP Alt mode(DisplayPort Alternate Mode)
・Thunderbolt 3
・USB-4(Thunderbolt 4)
ですが、Thunderbolt 3と4(USB-4含)は、極端な状況でなければほとんど差は気になりませんので、そこまで考慮しなくても良いです。
また充電/データ転送専用のUSB2.0のケーブルは実質Lightningとそう変わりません。
あとはDP Alt Modeですが、DP Alt Modeだけに対応するケーブルというのはRudraは見たことがなく、実質Thunderboltケーブルのため省略できます。
これらを除いた3種類を覚えて帰ってください。
何の変哲もないType-Cケーブル。
これも対応W数(充電速度)違いで更に分岐しますが今回考慮しません。
読んで文字の如く、充電用、もしくは充電とデータ通信(転送)に対応した一般的なケーブルです。
ワイヤレスイヤホンやモバイルバッテリーの付属品クラスだと1A / 5V 5Wの最低限の性能や、2A / 5V 10W のケーブルも多いですが、1人1本は何かしらのType-Cケーブルを持っているくらいに普及しているのではと思います。
PowerDeliveryの略で、こと現代においては、実質的にQuickChargeから置き換わり、多く普及している規格です。
USB PDは100Wもの給電が可能で、ノートPCやミニPC、タブレット等の消費電力の大きい機器も動かせます。
100Wって言われてもピンと来ないかもしれませんが、一般的なiPhoneの充電(USB-A to Lightning)が2.4A/5Vの12Wです。
単純計算で、iPhoneの8倍ということですね。
SS(SuperSpeed)のマークが特徴の、ギガビット対応のケーブルです。
5Gbps、10Gbps、20Gbpsといろいろ種類があります。
SSマークがあまり意味をなしていないため新しいマークに置き換わることもあり、最近は逆にあまり見かけないかも。
要は数字が大きいほど、データ転送が速いです。
これに対応していると、なんとType-Cケーブル一本でディスプレイとデバイスを繋げられます。
以前GAhackさんが試しているので、詳しくはそちらを参照してください。
Type-Cコネクタかケーブルに「DP」のアイコンがある場合はDP Alt Mode対応です(なくても対応している場合もある)。
DP Alt Modeだけ対応するケーブル、というのを確認するのではなく、モニターやデバイス側にその機能が搭載しているか否かを調べるための指標です。
DP Alt Modeは、Type-CのUSB 3.1 Gen2以降で使える可能性がある規格です。
DP Alt Modeが使いたい場合は、基本的には後述のThunderboltケーブルと、DP Alt Mode対応のデバイスとモニターを用意します。
(モニターは非対応でも、Type-C to HDMIなどのアダプタがあれば可)
数あるType-Cのケーブルの中で最強の性能を持つ規格です。
(ちょっと高いけど)これを選んでおけば間違いなし。
ここまで出てきたキーワードの
・USB-PD
・高速データ転送(◯Gbps)
・DP Alt Mode
に対応しています。
今日現在(2023/5)では、Thunderbolt 4が最強ですが、帯域にゆとりが必要なeGPU(外付けグラボ)などを使わなければ基本Thunderbolt 3でも大丈夫です。
当然ケーブルだけでなく本体側のスペックも必要なものの、上記のような要素をケーブル一本でまとめられるというスゴいやつです。
本体側がDP Alt Modeに対応していなくても、普通に転送や充電が速いだけのケーブルとしても使えます。
Lightningでの充電速度はもともと激遅でしたが、Type-C to Lightningを付属しはじめたあたりで段々速度が早くなってきてはいます。
機種 | 最大充電W数 |
---|---|
iPhone 12 Pro | 20W (前後) |
iPhone 13 Pro | 20W (前後) |
iPhone 14 Pro | 27W (前後) |
Xperia 1 IV | 30W |
Galaxy S23 Ultra | 45W |
Find X5 Pro | 80W |
Xiaomi 12T Pro | 120W |
iPhoneは非公開なので、参考値です。Pro Maxだと最大29W出たという情報もあります。
とはいえ、こうしてAndroidスマホのパワーと見比べると、ハイエンドクラスとしては見劣りします。
最近では「神ジューデン」と銘打った Xiaomi 12T Pro が120W充電に対応しており、5,000mAhのバッテリーを19分で100%充電可能。
iPhone 14 Pro Maxのバッテリー容量は4,323mAhなので、iPhoneに置き換えると16分半、iPhone 12 のバッテリー(2,815mAh)なら10分半。
いや早すぎ!
さらにOPPOは150Wの充電器を開発したようで、実用化されると15分で満充電可能だそう。
iPhone 12ならフル充電10分切りいけそう(充電の概念が崩壊する音)。
150Wって、ミドルハイクラスのグラボが動くレベルですからね。
でもまあ当然ですが、iPhone 15にType-Cが搭載されたからといって、必ずしも大容量の充電に対応するわけではありません。iPad Proでも37W程度(*)です。
*Rudraの環境にてiPad Pro 12.9(5世代)で確認
シンプルにデータ転送が速い。
例えば、出先でカメラからスマホにデータを送るとき、Wi-FiやBluetoothで連携する機能もありますが、ケーブルでサクッとやれます。
特にRAWデータは重いので、Lightningだとけっこう時間かかります
USB規格ごとの速度をまとめるとこんな感じ。
ビット毎秒 | バイト毎秒 | 対応する主な規格 |
---|---|---|
480 Mbps | 60 MBps | USB 2.0(Lightning) |
5 Gbps | 625 MBps | USB 3.0/USB 3.1 Gen 1 |
10 Gbps | 1.25 GBps | USB 3.1 Gen 2 |
20 Gbps | 2.5 GBps | USB 3.2 / Thunderbolt 2 |
40 Gbps | 5 GBps | Thunderbolt 3 / Thunderbolt 4 |
ちなみにGbpsというのは、Giga Bit Per Second の略で、毎秒どのくらいのデータを転送できるかを示しています。
20Gbpsだと毎秒20GBの転送ができる…訳ないですね。
毎秒20GB転送したら、ケーブルが焼き切れそう。
でも、そのうち実用化されそうなのが怖いです。
勘違いしやすいですが、Giga Byte ではなく、Giga Bit ですので、計算式に当てはめると、
毎秒 2.5GB。
を転送できるということになります。
それでも十分速いですけどね!
ちなみにLightningケーブルは480Mbps。
秒間、60MBの転送ということですね。差は歴然です!
とにかく周辺機器に困りません。
ついでに映像出力もできます。
iPadやMacで実際にRudraが使っている環境ですが、こんな感じになっています。
マウス・キーボードなどの周辺機器以外にもシンセサイザー(楽器)や外付けストレージもケーブル一本で繋げられちゃいます。
iPadで作業するときはこのケーブルをiPadに、Macで使うときはケーブルをMacに差し替えるだけで上記の周辺機器ごと繋ぎ変えられるので、環境構築の手間がめちゃくちゃ省けます。
とはいえ、上記のように「モニター自身にUSB-Cでのハブ機能が搭載していて、USB PD充電・映像出力」ができるモニターは少ない…
モニター沼の話をしますか? あ、また今度でいいですか。そうですか。
本来、こういうのはモニターのスペックにこだわりつつ、ドッキングステーションを使うのが正解な気がします。
ちなみに、性能が良いほどケーブルも太くなっていきます。
転送速度や充電速度の増大によって、流せるデータ量や電量を増やすためですね。
今後、高性能かつ細いケーブルの開発が進むか、Type-Cのポテンシャルを更に引き出す規格が開発されるか、どちらに進んでいくのか興味深いところです。
というわけで、モニター沼…じゃなくてType-Cケーブル沼よりお届けしてきました。
ちなみにAndroidでは、Galaxy(S8以降のS / Z Foldシリーズ)やXperia(1以降)、最近のAQUOS Rシリーズ、最近は見かけませんがHUAWEI、LGの新しめのモデルはPD充電やDP Alt Mode(映像出力)、高速データ転送に対応しています。
iPadシリーズはProのType-CのシリーズがThunderbolt対応で、Air 4 や mini 6 はThunderboltではないもののDP Alt Mode、5Gbps、PD充電に対応するためほぼフルスペックです。
もしiPhoneにThunderboltが搭載されなかったら…ま、iPad mini 6 でも買ってお茶を濁してください。
Thunderbolt対応のiPhoneが出たらレビューする気満々ですが、仮にRudraが(金銭的に)斃れても、第二第三のRudraが現れてレビューしてくれる…かも?(他ライターをチラ見しながら)。