どうも。イヤホンスパイラルがShure SE846+Beat audio Vermilion(2.5mmバランス)に終着し、最近のイヤホン事情に疎いRudraです。

前述の通り「もっと…もっとだ…もっと良い音を…!」と、悪魔の囁きが聞こえてくる、いわゆるオーディオ沼の暗黒面を脱したRudraですが、少し前のハイエンドが中古で安くなっているのを見てまたオーディオ熱が再燃しそうで困っています。

逆に言えば、中古の旧ハイエンドは買い時では…?
と思い、こうして記事にしたためようと思い立ちました。

レビュアーとしては三流のRudraですが、所有機は当時の一流モデルばかりです。
早速、Rudraの所有機の三雄を紹介しようと思います。

左からSE846(Shure )、IE800(Sennheiser)、Andromeda(Campfire Audio)

それぞれ、後継機やマイナーチェンジ版が発売され、旧機種となったモデル達ですが、発売当時は10万円近くの値が付けられたものです。Andromedaに関しては10万円を上回り、12万円ほどもしていました。
有線イヤホンという分野はPCやスマートフォンほどに進化が著しくはないですが、ここ数年はTWSをはじめとし、ワイヤレスイヤホンの台頭が目覚ましいです。

とはいえ、やはり高いイヤホンには理由がある…ということでレビューをやっていきましょう。

Rudraはオーディオレビューが初めてなので拙いところは寛大な目で見て頂けると助かります。
出来るだけポエミーにせずに所感をそのまま言語化していこうと思います。
以下、鑑賞環境です。
基本はベーシックに純正の構成にしていますが、AndromedaのみイヤーピースをAZLA SednaEartfitに変更しています。SE846はウレタンフォームやトリプルフランジが付属しますが、スタンダードな純正のシリコン使用です。

Shure SE846。 2013/8/1に発売、当時の価格はおおよそ10万円ほどです。

Sennheiser IE800。 2012/12/4発売。当時の価格はおおよそ7-8万円ほど。

Campfire Audio Andromeda。 2016/6/18発売。12-13万円ほど。

なお、SE846のケーブルが純正品のものではないのですが、久しぶりに取り出したら緑化によりお見せできないほどに状態が悪かったので、Beat AudioのVermilionというケーブルにリケーブルしています。視聴は純正ケーブルです。

それでは、まずは通常のポップスから。
やっぱり今はこの曲でしょう、と思いチョイスしました。
ボーカルのメロディラインを五線譜に起こせるくらい聴いてます。

YOASOBIから「夜に駆ける」です。
イヤホン選定時には最近この曲を採用するようになり、個人的に試聴時の参考に出来る部分を以下に抜粋しています。

この曲でじっくり聴き分けたいポイントですが、2分5秒から2分26秒のAメロ終わり付近からBメロ終わりまでのボーカルの裏で流れる鍵盤とシンセサイザーが複雑に入り乱れる箇所と、その後の間奏終わりのピアノのグリッサンド(鍵盤を撫でるようにして連続した音を弾く奏法)までです。

ボーカルへのフォーカスをブレさせずに聴かせられるかというところと、裏で複雑に鳴る鍵盤やシンセサイザーの重なりと奥行きの表現力、多彩な音源の聴き分けが出来るか。というところがポイントですね。

元々SE846はプロ向けのイヤーモニターの音を前提としているところがあり、全ての音が均一に出てきます。
正直「全部の音が超綺麗に鳴ります」の一言で済むので、コメントに困るのですが、それでは意味がないので頑張って分析します。
まず鍵盤の音は上品でしなやかに鳴ってくれ、2分13秒のBメロ始めでピコピコと鳴っている電子音もしっかり一音一音が分離して聞こえてきます。
音同士の分離がしっかり表現されているので、ベースラインを追うのも容易ですし、しっかり楽器にフォーカスして聴けるので、耳コピや分析などもしやすいです。
ただ、SE846の唯一の欠点といえる音場の狭さにより、ややボーカルと裏のメロディが近く感じるかもしれません。
今回比較するIE800とAndromedaの音の広さがそう感じさせるかもしれませんが、この三者で比較するとここはマイナスポイントですね。

SE846を聴いた後だと良くわかるのですが、明らかに音源が「遠い」と感じます。
上述した2分13秒あたりのピコピコ音の鳴る位置が全く違うので、聴く側の意識をボーカルに向ければボーカルに、ピコピコ音に集中すればそちらを細やかに聞き取ることが出来ます。
かといってバラバラになりすぎず、全体のまとまりがあり、破綻せずにそれぞれが高解像度なのが不思議なイヤホンです。
IE800の特徴としてしばしば語られるのは、このイヤホンらしからぬ音場の広さの評価ですね。
曲の1分ちょうどから10秒ほど、鍵盤の音がLRにパンされて、左右から違う音が鳴る箇所がありますが(いつだってチクタクと~の部分)、他のイヤホンと比べると「明らかに違うハコにいるな」という感想が出ます。
IE800はバスドラとベースの低音がややブーミーで、より迫力がある音になっています。
低音評価用の曲も別にあるので、低音評価の詳細は後述することにします。

この中では最も高価格なイヤホンなだけあり、ピコピコ音の中高音からバスドラの低音までが、ちゃんと「一つ一つ鳴ってるな」と一発で聴き分けでき、かつSE846よりも(相対的に)音場が広く、より音楽を楽しむための音に仕上がっています。
SE846で、2分13秒のピコピコ音が「ボーカルに近い」と評価しましたが、IE800ほど遠くなく、程よい距離感で鳴っています。ピコピコ音の出自体はどちらのイヤホンよりもしっかり出ていて、この中高音が張り出して聞こえることで独特の「キラキラ感」を生み出しています。
あえて文句を付けるなら、単純にこの最大の特徴である「キラキラ感」を「うるさい」としか感じない人もいるかもしれない…という所ですね。

 

SE846やAndromedaは、低音用・中高音用・高音用にそれぞれドライバがあるBAイヤホンですが、対するIE800はひとつのダイナミックドライバだけでフルレンジを担当するDD型です。
DDの特徴としては音がまとまりやすいのが特徴です。
対してBAはそれぞれがオーケストラ団のように違う音を担当するので、それぞれの解像度が高いというのが特徴。
Rudra的には、Andromedaも SE846もベクトルは違いますが、やはりBAらしく解像度に関しては振り切っていると思います。
今回挙げた機種ではIE800が唯一のDDですが、これは解像度もあり、まとまりもあり、音場が非常に広い…という、ちょっと異彩を放つDDイヤホンです。

つぎは、低音の評価曲にうつります。

Rudraが低音と音場のリファレンスとしてよく聞くのは、
Hadag Nahash(הדג נחש)のLo Maspikというイスラエル発のヘブライ語HIP-HOPです(ヘブライ語の文字化けがあったらすみません)。

…リファレンスとしては飛び道具すぎるナンバーですが、Rudraの趣味という以外にも正当な理由があるのでちょっと言い訳を聞いてください。
この曲のスネアとバスドラ、シンセの音を参考に、低音と音場の測定が容易に出来るのです。
イントロの5秒まではギターの音ですが、5秒以降にRからLに抜けるサイレンのようなシンセの音が入るので、そこで音場の広さや定位が大体把握出来ます。
また、この曲の17秒から入ってくるスネアの切れ味が、「タッ」なのか「カッ」や「タンッ」なのか、音の余韻が長いか短いか…と、イヤホンを変える度に毎回全く違う音に変化するので、イヤホン試聴時にはここのスネアをじっくり聴き比べています。

最近では、SONYの人気ヘッドホンのWH-1000XM3と1000XM4の聴き比べの時にこの曲を採用しました。
XM3とXM4の搭載ドライバは同型らしいのですが、ソフト的なチューニングの違いがあるようなので聴き比べてみたのですが、唯一この曲でスネアの音の切れ方が全然違うことに気付たりと(Rudra的には)多くの実績がある曲です。

SE846だとイントロからずっとフレーズを繰り返しているギターの主張が他のイヤホンよりかなり強いので、ベースの音も他のイヤホンよりもやや聞き取りやすいです。
楽器間の分離感はさすがのモニターイヤホンというところで感心しますが、スネアのキレ、低音の質量は上品にまとまりすぎているので、他のイヤホンよりも楽しさに欠ける感じはします。
いかんせん、モニターライクな感じが勝ちすぎているような気もしますね。
HIP-HOPだからといえど毎回ノリノリで聴くわけではないので、SE846の冷静な音がハマる人も多いと思います。
HIP-HOPでもそうですが、EDMやエレクトロ系、ドラムンベースなどはRudra的にSE846が結構良い音を出します。
夜に駆けるの評価で出していた「音場が広くない」ところが、却ってダンスナンバーとの相性やノリの良さなど、ポジティブに変換される時があるので、そういう曲を探すのも一興です。
低音は締まりが良いので物足りなさを感じるかもしれませんが、アプリのイコライザーで低音域を持ち上げたりバスブーストをかけると良いです。

元のポテンシャルが高いので、低音を持ち上げてもしっかり鳴らせる地力がありますから、多少イコライザーで歪ませても大丈夫です。
上記はAppleMusicのAndroid版での設定ですが、これ以上低音をあげるとうるさいと感じるほどには出てきます。

同じ曲をAndromedaで聞き比べると、5秒から流れるシンセのRからLにパンしているサイレン風の音がより遠くから聞こえてきます。
続くリズム隊のスネアの音はキレを感じますが、低音自慢のイヤホンと比べるとブーミーさに欠けるのでバスドラの迫力は劣ります。ただ、解像度が高いのでベースの音が埋もれずにしっかり聞き分けられます。ブーミーな低音については好き嫌いが分かれそうなので、ここはメリットでもありデメリットですね。
キレがよい分、低音の余韻が少なく、ドラムと一体化しがちなベースの音がより聞こえやすいというメリットはありますが、質より量の低音を求めるならIE800に軍配があがります。

音場の広さとスネアのキレ、低音から高音までのバランスが最もしっくりくる印象です。
前述の通り、イントロ5秒からのサイレン風の音の遠近感で音場を測っていますが、広さはやはり随一です。ダイナミックドライバ一発の構成にも関わらず、とてつもない解像度があるおかげで、ノリの良さをダイレクトに感じつつも楽器の聞き分けまで出来ます。
特にボーカルの遠近感が他のイヤホンより近く感じ、この曲のリスニングとしては頭一つ抜けています。

まだ書こうと思えば書けますが、そろそろ文字数が6千超えそうなのでそろそろ評価の方にうつります(この後、最終的に6千文字を無事に越えました)

 

 

総合評価 (価格込み)
Andromeda ★★★★☆
SE846 ★★★☆☆
IE800 ★★★★★

Rudraの総合的な評価としては上記のとおり、IE800、Andromeda、SE846の順になりました。
価格込みなので、やはりAndromedaはある程度覚悟がないと…という所ですね。
「音質」を何と定義するかで変わりますが、純粋に「全ての音が綺麗に鳴らせる」という観点においては全て★5を付けると思います。
どちらかというと、一聴してどれだけ「おっ」と思わせられるか、加えて「価格」を評価基準にすると上記の通りになりました。

さて、改めて今日現在の(2021年3月)じゃんぱらでのそれぞれ中古上限価格ですが、
SE846が¥57,800
IE800が¥34,800
Andromedaが¥79,800
となっています。

新品価格ですが、SE846を買ったのはちょうど7年前の2014年2月、当時高校生で9万と9千円…ほぼ10万円で買ってます(年がバレる…)
当時のレシートが出てきましたが、消費税5%と書いてあってしばらく悶えてました。
朧げな記憶ですが、その時は為替のレート的にも、輸入品を買うのに適した時期だったと思いますので、安い方でしょうか。
増税・為替変動によってそのあと12万円くらいまで値上がりしたような気がします。
その時に最後まで比較して買わなかったのがちょうどIE800(2012年発売)ですが、それより少し安いくらいの印象だったので7-8万円ですかね。
ほか、当時(2016年)のAndromedaは大台突破の12万円ほど。

この世代だと、

Astell&Kern AK T8iE
bayerdynamic XELENTO REMOTE
Unique Melody Marverick II

このあたりはAndromedaと同世代くらいで、SE846やAndromedaよりさらに高額モデルですが、やはり中古だと買いやすいところ(¥44,800~¥79,800)まで下がってきます。

もう少し古い世代まで遡ると、2万円前後(¥14,800~¥29,800)で2005~2011年前後のハイエンドも買えちゃいます。
余談ですが、このあたりはRudraが最も好きな世代です。SONYの初BA機のXBAシリーズや、少し時間を進めるとFinalのHeavenシリーズなども台頭してくる、イヤホン戦国時代です(Rudra談)。

Shure SE535LTD
Westone 4R
AKG K3003

Klipsch Image X10
ETYMOTIC RESEARCH ER-4S
Ultimate Ears TripleFi 10 Pro

この辺りもいまだに名機として語られる存在ですね。
Image X10はRudraも所有していますが、発売から10年以上経った今でも色褪せず、唯一無二のイヤホンだと思います。

閑話休題。

Andromedaはいまだに高価ですが、Rudra的には「BA型かつリスニングが楽しい」機種はこれがファイナルアンサーだと思っています。特に旧型Vermilionにリケーブルした時の音は格別にキラッキラした音が出ます。キラッキラが伝わらないと思いますが、本当にキラッキラなんです。
これまでDDの音を聴いていた方だと新たな境地が開けるかもしれません。

AndromedaとVermilionの組み合わせですが、純正ケーブルよりさらに個々の音の粒が立つようになり、Rudraの中では「じゃじゃ馬」という評価になっています。好き。

 

SE846は、フラットな音で、モニターライクなリファレンスとして最適。この中では最も上品で、極端にとがった部分がないので基本的にオールジャンルで活躍が見込めるのが最大のポイントです。
ハイエンドの中では使用率が高いイヤホンで、リケーブルやイヤーピースの変更で楽しめるので、ネットにもいろいろな情報があり、情報収集が最も楽なイヤホンでもあります。
今回評価この中で低いのも、純正の構成だからという所も若干含まれます。

RudraのおすすめのケーブルはSAECのSHC-B220FSなんかがおすすめです。
元々定評のある中高音がさらに煌びやかになり、リスニングが楽しくなります。

 

IE800はここまで音質に関係する部分でネガティブなコメントがありませんが、装着感が上記二つに劣るのと、ケーブルの経年劣化でやや硬くなるのが大きな弱点です。
ただ、全機種に当てはまる言葉ですがとりあえず聞いてみてください!
度肝を抜かれると思います。

正直、中古上限(Aランク)でも3万台なら安いと感じますね。
また、IE800は買ったままの状態で音が良い(イヤーピース沼やケーブル沼に堕ちずに済む)ので、将来的に出費が抑えられます。

無事にイヤピ沼にハマった模様。左から SpiralDot sf , SednaEarfit , Xelastec , Light , Final E , Spinfit

SE846、Andromedaはハマりすぎるとイヤーピース沼とケーブル沼が手をこまねいてくるので…(経験談)。
ケーブルを変えると別のイヤホンになれるという点では、SE846とAndromedaはある意味ではコスパが良いのかもしれませんね?…ね?(金銭感覚の麻痺)

 

というわけで、かなり文字多めでお送りしましたが以上三台のレビューでした。
かなり聴き込んだ上で正直な感想を盛り込んだので少しでも琴線に触れてくれれば…と思います。

また、テレワークで最近ワイヤレスイヤホンの需要が増えたようですが、AndromedaやSE846はワイヤレス化も出来るんです。

こんな感じで

このモジュールはFOSTEX TM2という、イヤホンをBluetooth化するものです。
高音質がワイヤレス化するという夢の道具…!

これも次回あたりレビューできたらと思いますが、今回で力尽きたのでしばらくオーディオレビューはしません(たぶん)

これから始まる新生活、通勤・通学の高音質化…いかがでしょうか?
3年使うとして通勤・通学時間あたりの単価を計算すると安いものですよ。

Rudraでした!

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