男もすなる「ばいく」といふものを、Rudraもしてみむとてするなり。
原付は10年近く乗った愛車があったんですが、最近125ccのMT車(ジスペケ)に乗り換えました。
愛車撮りたさにカメラが欲しくなってきて、この流れはマズいと感じるこの頃。うなじがヒリつくぜ。

今回は2024年発のスマホを集めたので愛車自慢……じゃなくてツーリングに持ち出して撮影してきましたので、カメラの比較レビューをしていきます。

というわけでタイトルでネタバレしていますが、今回集った兵(つわもの)どもはこちら。

  • iPhone 16
  • Galaxy S24
  • Xiaomi 14 Ultra

普通に考えて全部フラッグシップ(ProとかUltraとか)揃えるほど余力ないんで察してください。本当はここにAquos R9 Proも入れたかったんですけどね。正直Rudra的にはiPhone 16とXiaomi 14 Ultraだけあればよく、Galaxy S24自体が余計な散財なのでこれ以上は無理です。
てことでiPhoneとGalaxyは普及モデルである所謂「無印」のモデルで勝負です。

早速撮り比べといきたいですが、まぁまぁスペックと価格の表でもどうぞ。(お茶のテンション)

スペック・価格
機種名 容量 価格
iPhone 16 128GB 124,800円
iPhone 16 256GB 139,800円
iPhone 16 512GB 169,800円
Galaxy S24 256GB 124,700円
Xiaomi 14 Ultra 512GB 199,900円

という感じ。まぁスペックを見てわかるタイプの人類なら、Xiaomi 14 Ultraしか勝たんという結論で終わってしまうのですが、そこはほら、価格差とか、ほかにも色々あるじゃん。ね? そのあたりの個性とかは追々解説します。

ちなみに表で(※)の注釈としているセンサー型番は、AppleやSamsung公式サイトでは未発表の情報です。
非公式情報を辿っていって、それらしき情報を見つけて拾ってきているので、あんまり鵜呑みにしないように。特にGalaxyはExynosモデルとSnapDragonモデルでセンサーやDACチップ違いなど仕様の差があったりするのが普通なので。

スペックを流し見していて分かる注目ポイントは、やはりXiaomi 14 UltraのメインカメラのセンサーであるLYT-900でしょうか。
国内では最近(ここ2年くらい)流行り出した「1インチセンサー」で、SONYのスマホ向けセンサーでは最高峰。
XiaomiとしてはMi 11 Ultraから約1インチのセンサーを搭載していたので、扱い(チューニング・設計)はお手の物でしょう。
スマホではコンピュテーショナルフォトグラフィー(いわゆる撮って出しの時点でコンピュータ処理・加工がされている)が当たり前で、センサーサイズに係らわず良い画は撮れるのですが、カタログ的なスペックも良いに越したことはないですよね。
ガジェオタは「ま、良いに越したことはないよね」というマインドを免罪符に余計な散財しがちな生き物なので(個人差あり)。

Rudra的下馬評では、2024年スマホ最高峰のカメラ性能(*)を持つXiaomi 14 Ultraに、iPhoneとGalaxyがどこまで追従できるかの会となるのではと思ってます。
*日本市場でのお話

 

作例:日中

作例はいずれもiPhone 16、Galaxy S24、Xiaomi 14 Ultraの順。
※アップロードの都合で4Kから2.5K相当まで若干圧縮されています。

iPhone 16

Galaxy S24

Xiaomi 14 Ultra

日中のメインカメラ(広角、23mm)での撮影。
正直現代のスマホのカメラでこのようなシチュエーションならたいていの機種でとても良い画が出てくるでしょう。
いずれも「他と比べなければとても良い」と感じますが、今回は敢えて比較に持ち込んでいるので、個人的な感性によるとはいえ一応甲乙はつけておきます。

Rudra的には、Xiaomi 14 Ultra > Galaxy S24 > iPhone 16
ですかね。
なんといってもXiaomi 14 Ultraだけ意味わからないくらい「カメラ」じみた画なんですよね…。あんまり詳しくないRudraでもわかる。なにこのビネット感…?

日中の光量なら、以前持っていたGR IIIなどで少し暗くして撮るのが好きでしたが、まさにそんな感じ。普通に撮ると明るすぎるので、EV -0.3~0.7くらいで撮るのが好みです。

次点はGalaxy S24としていますが、正直iPhone 16とは好みの範囲ですかね。
Galaxy系のiPhoneよりこってりした高彩度の画作り(Galaxyあるある)、そういうところが好きです。

iPhoneはGalaxyを並べると少しアッサリしてますが、空の青さは肉眼に近いかも。
ま、少しフィルターでも掛けてやればお好みに調整できる範囲です。

上からiPhone、Galaxy、Xiaomi

次にトリミングして比較してみると、遠景にあたる、画面右上の植木や左上の家屋は
iPhone > Xiaomi > Galaxy
の順で解像度が高いですが、中景のマリーゴールドは
Xiaomi > iPhone > Galaxy
という感じでしょうか。

元画像からそこそこ拡大して粗探ししてようやく違いがわかる程度なので、普通に撮って出しで見る分にはどれも十分な画質。

ここで特筆すべき点は、Xiaomiのメインカメラに搭載される1024段階で可変絞りを実現する6枚羽のメカニカル機構。
これのお陰で、このように……

光条が!! 撮れる!!

お次は別の倍率も試してみます。まずは超広角。

iPhone 16(0.5mm、13mm)

Galaxy S24(0.6mm、13mm)

Xiaomi 14 Ultra(0.5mm、12mm)

全部同じ位置から撮ったんですが、Xiaomiが最も「引き」の画が撮れます。
スペック的には、iPhoneが13mm、Galaxyも13mm、Xiaomiのみ12mmレンズです。

Xiaomiは暗いところをより暗く表現しており、緑も最も鮮やかに写せています。立体感がすごい。
対してiPhoneとGalaxyではやや低彩度に見えます。
コントラストはGalaxyのほうが強めですが、Xiaomiの画を見るとiPhoneもGalaxyも大差ないように見えます。

同じ画角のまま2倍で撮影してみましょう。

iPhone 16 2倍(52mm、クロップ)

Galaxy S24 2倍

Xiaomi 14 Ultra 2倍(46mm)

いずれも2倍は光学ではなくメインのクロップ(のはず)です。
とはいえ2倍程度は画素数の余裕もあるので、楽勝ですかね。この3台で一番持ち出し頻度が高いのはiPhone 16なんですが、ガッツリ撮影しに行く目的でなく単なるスナップなら普通に2倍率もちょくちょく使ってます。

光学ズーム以外信用してなかったんですが案外普通に使えるじゃん、と見直すきっかけになりました。

Galaxy S24(69mm、3x)

Xiaomi 14 Ultra(75mm、3.2x)

次は3倍。こちらはどちらも光学(望遠レンズ)ズームです。
Xiaomiはやはり暗いところは暗く、というHDR感ある味です。
遠景やコントラストがすごい表現力ですが、何より路面のディテールがすごい!

Xiaomi 14 Ultra(120mm、5x)

こちらは5倍の光学ズーム。物理的な望遠で光学5倍まで寄れるのはXiaomiだけなので作例も今回は1つだけです。
Rudra的には広角(23mm)の次にこの5倍望遠(120mm)を信頼して高頻度で使っています。
3.2倍(75mm)でのポートレートも使いやすいんですが、5倍のポートレートが最もカメラっぽさあるんですよね。被写体からかなり離れる必要もありますし、撮影の集中力も必要になりますが、ぼかしやすさなども含めて、この5倍レンズが最も楽しいです。

次は再びメインカメラに戻って、近距離撮影です。

iPhone 16

Galaxy S24

Xiaomi 14 Ultra

Xiaomiはさすがの描写力ですが、今回はiPhoneも負けてません。
このシチュエーションだとGalaxyの高彩度もさほど活きず、色合いはどれも大差ないです。
Xiaomiは相変わらずのHDR感で最も迫力を感じますが、次点でiPhoneがかなりいい感じ。
こうしてみるとGalaxyはちょっと青みがかってる感じがしますね。

 

作例:夜景

次は夜景パート。

iPhone 16

Galaxy S24

Xiaomi 14 Ultra

Galaxy、やっば。

パッと見でGalaxyが一番キレイですね。手前のブロック塀のディテールを拡大して見ちゃうとXiaomiのほうがきれいというか、最初にも比較した通り、細かいところを拡大して粗探しするとGalaxyはちょっとディテールが甘いんですよね。
なのに全体で見るとこの夜景比較ではGalaxyがダントツにきれいなの、不思議。やっぱり青みがかっています。でも青っぽい画作り、日本人は結構好きなんじゃないでしょうか。
iPhoneとXiaomiは好みの範囲でしょうか。

こちらも望遠撮影をしてみました。

iPhone 16(26mm、2x / クロップ)

Galaxy S24(69mm、3x / 光学)

Xiaomi 14 Ultra(75mm、3.2x / 光学)

これもGalaxy圧勝です。iPhoneはデジタルなのに頑張ってます。
というかXiaomiの作例に関しては、これRudraが撮影失敗していますね…多分手ブレによってディテールが潰れがちになっている説が濃厚です。
逆に言うとRudraが適当に撮ってもきれいに写せるGalaxy S24がすごいのかもしれません。

Xiaomi 14 Ultra(120mm、5x / 光学)

ついでなのでXiaomiの5倍望遠も。3.2倍より精緻に撮れてますので、これやっぱり3.2倍(75mm)の撮影失敗してますね……。

次はもっと光源のあるシチュエーションです。

iPhone 16(26mm、1x / メインカメラ)

Galaxy(23mm、1x / メインカメラ)

Xiaomi 14 Ultra(23mm、1x / メインカメラ)

これもGalaxyの見栄えが最もいい感じ。
細部のディテールはiPhoneのがいいかも。
というか後で気づいたんですが、Xiaomiだけナイトモードで撮影するの忘れて普通に撮ってました。逆に普通にパシャリでここまで撮れたのがすごいかもしれません。

 

 

総評
iPhone 16


安定のiPhone。今回のiPhone16シリーズでは、かなり無印とProの格差が少なく、新機能であるカメラコントロールが無印にもついています。
被写体を見つけてカメラを起動し、カメラを向けてシャッターを切る、ここまでの動作の「起動」と「シャッター」が統合されたひとつのボタンとして存在するのは大きなポイントです。

カメラコントロールはスワイプ操作にも対応しているのですが、無印は光学ズームじゃないのと、ズームをスワイプで操作するのがやや難しいため、他のパラメータ調整に割り当てるのが吉かも。

カメラに期待するなら光学5倍の望遠が使えるProを選ぶとよいですが、デジタルズームで良ければiPhone16でもという感じ。

実際に撮ってみると、どのシチュエーションでも安定してディテールの解像度が精緻で、大崩れすることなく淡々と撮影できて使い勝手が良いです。
Proなら望遠5倍も搭載しますし、動画撮影も優秀なのでオールラウンダーに使えますね。

 

Galaxy S24


iPhoneのようなカメラコントロールはありませんが、電源ボタン2度押しでカメラを起動できます。
シャッターはiPhoneと同じくボリュームボタンで切れるので、インターフェイスが左手のほうに集中することを良しとするなら、フットワークでは劣らず。
むしろ、iPhoneがやっとAndroidに追いついたという具合。

S24 Ultraでは、各レンズがワンランクあがるのと、光学が5倍、AIを統合し10倍まで光学同等になるということらしいです。
S23 Ultraでは光学10倍だったのですが、Rudra的には「遠くの物を撮りたい」から望遠を使うのではなく、「圧縮効果でのパースの違いを使い分けるために望遠を使う」ので、実質AI統合で光学10倍~と言われても、それって結局アップサンプリングとクロップを組み合わせただけでしょ? という感想になってしまいます。
(ただし画素数はS24 Ultraのほうが上)

実機のS24 UltraとS23 Ultraで撮り比べて見たことがないので、いざやってみたら手のひら返しするかもしれませんが。

作例を見ていると、青っぽくて派手ですが、拡大しちゃうとディテールはいずれもちょっと劣ります。が、他と比較する対象があってやっと気づくレベル。
こちらはiPhoneと同じ無印の普及モデルですが、3倍望遠があるというのがポイント。それでいてiPhone 16より安い(同じ256GBで比較)ので、Android派ならこっち。

 

Xiaomi 14 Ultra


この3機種の比較では、他2台とひとつ格が違うやつです。
RudraはPhotography Kitを使っているので、インターフェース面では圧勝、というかすでに彼はスマホの土俵には居ません。

グリップはType-Cの差し込みとちょっとした出っ張りだけで保持しているので過信は禁物ですが、今のところグリップだけ保持して雑に取り回してもスマホだけ吹っ飛んだりしたことはないです。

そしてセンサーサイズが1インチと大型。

最近は1型センサーも珍しくないですが、特筆すべきは先述しました通り1024段階、6枚羽のF1.6~4.0で可変絞りができること。
メカニカルな機構をゴリゴリに積んでいるせいか、このスマホを振ると、死にかけのマラカスみたいな「カタ…」という音がするんですよね。そんなところも愛らしい。
この絞りで光条をつくることができるのは大きなポイント。

また、デジタルズームが最大120倍まで使えるということですが、これが結構普通に使いモノになるので驚きます。

ちなみに今回の撮影では同じ条件にするために使ってないのですが、このPhotography Kitの付属リングを使うと、フレーム部分になにやら怪しげなねじ切りが現れます。
そう、これ、67mmのカメラフィルターを装着可能なんですよね。

OPPO、VIVO、Xiaomiのフラッグシップ使いには常識ですが、このカメラフィルター装着で撮影の幅がぐんと広がります。

これ全員に伝わる喩えだと思うんですが、この「自由度」の加速的な増え方はFF13において11章でグランパルスに降り立った時を彷彿とさせます。
もしかするとごく一部の人にはこの喩えが伝わりにくい可能性をRudraの脳が弾き出したので補足しますが、「フィルターを変えると、全く別のカメラで撮影しているかのように」楽しめます。

これによってスターフィルターや、以前elmarさんが紹介していたアナモルフィックレンズ風に撮影できるストリークフィルターなども付けられます。ブルーストリークかゴールドも選べますし、あいさつ代わりにシールド代わりのNDフィルターもいけます。とりあえず可変NDを付けておけばいいんじゃないですかね。
こいつもうスマホじゃねえよ。

これは社外品ですが、Rudraは17mmレンズを装着するアダプタを装備しているため、ここに超望遠や超広角レンズを付けて、バケモンみたいなスマホにすることもできます。これとデジタルズームで天体望遠鏡レベルまでいけます。

まとめ

という感じでカメラ比較レビューをお送りしました。
1世代前(iPhone 15、Galaxy S23、Xiaomi 13)だと買い替えの意義は薄いかもですが、2世代以上隔てると、特にiPhone 16は進化が顕著です。
Dynamic island、カメラコントロール、アクションボタンが無印モデルにも標準装備されるようになりました。16は望遠要らなければ無印で十分なので、結構買い得と思ってます。
Rudraみたいに、「望遠はXiaomi 14 Ultraあるしいいや!」と二台持ち許容するなら全然ありと思ってましたが、普通にiPhoneの2倍もそこそこ使えるんですよねー。

というわけでiPhone系の買取はこちらから、Androidスマホの買取はこちらよりアクセスいただけます。

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