新型コロナウィルスが猛威を振るい、自粛ムードが続き、ステイホームにも飽きてきた頃、こんなアイテムを入手しました。
なんと自分の手でアナログレコードを作る事ができるアイテムです。
今回はこのレコードメーカーを組み立てて自作レコードを再生する所までやってみます。
昨年、こっそり予約注文していたので発売日にゲットできました。
開封するとこんな感じ。
プレーヤーを組み立てる部品などがパックされています。
組み立てマニュアルやアナログレコード本、レコードのセンターに貼るレーベル用のシールなど必要なものが揃っています。
パーツ袋の一部。
ハンダづけは必要ないので電子工作の経験がなくてもプラスドライバー一本あれば作れそうです。
早速、組み立てていきましょう!
丁寧なマニュアルが付属していますのでプラモデルを組み立てる要領で順に作業をすすめていきます。
基板とモーターを取り付けた所です。
入力端子や音量調整、回転数切り替えなどの機能は基板一枚に集約されています。
再生用のアームを取り付けたところ。
昔のポータブルレコードプレーヤーみたいですね。
レコードを載せるターンテーブルを駆動するための再生用ベルトを取り付けます。
一般的なレコードプレーヤーと違うところは録音用のベルトがあるところでしょうか。
完成!
パッケージの写真にあるように録音用アームをつけた状態はレコードプレーヤというよりは蓄音器のように見えます。
接続部分は左から3.5mm出力端子、3.5mm入力端子、5V電源端子。
付属している電源ケーブルと入力ケーブルを接続したところ。
USB給電となっていますのでモバイルバッテリーを接続します。
それでは電源を入れて動かしてみましょう。
電源スイッチとボリュームダイヤルは共用です。
右に回して電源オンとなり更に回すと音量が大きくなります。
ポータブルプレーヤーを接続して内蔵スピーカーから鳴るか、ターンテーブルの回転に異常はないか、アームの動作に問題がないかなどチェックします。
まずはレコードプレーヤーとしてきちんと動作するか確認しましょう。
33と45とあるのはレコードの回転数です。
レコード世代なら説明不要とは思いますが録音/再生時間は回転数が速いほど短くなります。
一般的なシングルレコードは45回転で30センチのLPレコードは33回転です。
※正確には33 1/3回転/分 ですが
そう、この「トイ・レコードメーカー」はレコードを作るだけではなく一般のシングルレコードも再生ができるのです。
手持ちのシングル盤をかけてみます。
THE ROLLING STONES /PAINT IT, BLACK
オランダプレスのDECCA盤なのでおそらく1960-70年代のプレスと思われます。
このレコードは不要ですが一般的なシングル盤では付属のEPアダプタを併用してセットします。
電源を入れて針をおろす瞬間はちょっとした緊張感があっていいものです。
モノラルのセラミックカートリッジなので音質は正直期待してなかったですが予想より元気のいい音がします。
EPレコードは7インチですが「トイ・レコードメーカー」は5インチです。
アームレストが干渉する場合があるので曲の頭が再生できない場合がありますがそこはご愛敬で(笑)
それではレコードカッティングに挑戦してみましょう!
これがレコード原盤です。
当然ですが盤上には溝が無く、まっ平らです。
ターンテーブルにレコード原盤をセットして「レコード盤押さえ」で固定します。
通常のネジとは逆方向に回すようになっています。
これはターンテーブルの回転が時計回りであるため自然に緩んでしまうからではないかと思われます。
準備ができたらテストカッティングをします。
スマホなどから再生して付属のモノラル変換ケーブルで入力します。
マニュアルでは「カッティング機構」となっていますが昔からの呼び方だと「カッターヘッド」ですね。
ここは音声信号を流すとコイルが振動してカッティング針にその振幅を伝えます。
この振幅がレコード原盤を削って音溝が作られるわけです。
テストカッティングをして再生チェックを行い分かった事は録音可能な周波数帯域は割と狭く人の声に向いていると思います。
おなじみの「じゃんぱらテーマソング」を録音してみたのですがベースやドラムの音がちょっと割れ気味。
ONKYO HF PLAYERの音質調整機能イコライザーや再生ソフトのイコライザーで低域をカットオフして録音すると比較的安定した音質で録音できました。
カッティング中の動画です。(音声が出ます)
削りカスがどんどん出てきますのでたまらないように除去してください。
出来上がったレコードは削りカスが付着していますので水洗いをして乾かしてから使用するようにします。
乾いたら付属しているレコードレーベルを貼って自作レコードの出来上がりです。
こうするとカッコいいレコードになりますね。
アナログレコードは簡単にいうと音声マイクから取り出した振幅を音溝に刻んでいくことによってできます。
一般的なアナログレコードはカッティング後のラッカー盤をメッキして剥離したものを作りメタル・マスターを作ります。
いわゆる原盤ですね。
更にこのメタル・マスターをコピーしてメタル・マザーを作りレコードをスタンパーでプレス。
レーベルを貼りジャケットに入れて出荷となるわけですがメタル・マザーは劣化が早いため複製が作られます。
複製をすると音質は徐々に劣化していく傾向があり初期プレスものは市場で人気があり高価になります。
この辺の話はとっても深い沼に嵌る事になりますで割愛させていただきます。
今回のトイ・レコードメーカーは音声を直接、刻み込んだいわばマスターを作るものといえるでしょう。
実際に録音された音は帯域は狭いですが結構、鮮烈でLIVE感があります。
レコードの補充も公式サイトから可能なようですから細かなセッティングを詰めて楽しいレコード作りが当分楽しめそうです。
外出できない時でも試行錯誤が楽しめるアイテムですが現在、相場が上がってちょっと高くなってしまってます😭
入手できた方はラッキーだと思いますのでぜひ、楽しいレコードを作ってみましょう。
シングル盤をお持ちの方は久しぶりに聴き直してみるのもいいですね。
JOHN LENNON / IMAGINE
今だからこそ聴きたい曲。
以上、elmarがお送りしました。