いよいよApple Musicで高音質配信が始まりました。

7500万曲が高音質なロスレスオーディオで聴けるうえ、追加費用がないのがうれしいところ。

楽曲によってはドルビーアトモスを用いた空間オーディオに対応とまさに死角なしといったところでしょうか。

今回は実際にApple Musicを試聴してみたいと思います。

まずはMusic画面から。

ロスレス対応の楽曲にはこのように「ロスレス」のロゴが入ります。

ハイレゾロスレスやドルビーアトモスも同様です。

楽曲再生時にロゴをクリックすると詳細情報を見ることができます。

このように24bit/48kHzのビットレートで配信されていることがわかります。

赤枠で囲んだアイコンをクリックするとそれぞれ詳細情報にアクセスできます。

例えば「ロスレス」のページによると以下のように記載されています。

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iPhone や iPad でロスレスオーディオを聴く方法

必要なもの

iPhone や iPad でロスレスオーディオを聴くには、iOS または iPadOS 14.6 にアップデートし、以下のものを用意してください。

  • 有線接続のヘッドフォン、レシーバー、または電源内蔵スピーカー
  • 内蔵スピーカー
  • サンプレートが 48 kHz を上回る曲を聴くには、外付けの DA (デジタル/アナログ) コンバータが必要です。

つまり、ハイレゾロスレスはiPhoneとAirPodsなどでは再生できないという事です。

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もちろん音が出ないわけではなく組み合わせ内で最高の音質は再生できますが、ハイレゾでの再生ではないことになります。

せっかく高音質での配信になったのに、フルに楽しめないなんて、なんか釈然としません。

やっぱり可能な限りいい音で聴きたくなるのが人情というもの。

普通にAndroidベースのDAPにApple Musicを入れてしまえば解決しそうな気もしますがインターフェースや複数持ちのわずらわしさもあります。

というわけでiPhoneに外付けD/Aコンバーター(USB-DAC)を用意する事にします。

術式はこうだ!

iPhone →Lightning-USB Type-C→USB DAC

そうと決まれば早速DAC探し!!

 

AK XB10

ご存知Astel&KernのBluetooth DACです。

ワイヤレス接続でiPhone,iPadでも使用可能。

安価ですがかなり評価は高い製品。

スペックをみるとDACチップにはCirrus Logic CS4350を1基搭載らしいです。

Cirrus Logicといえば古くはグラフィックチップで名を馳せたメーカーでしたが現在はオーディオチップに特化しているようです。

Bluetooth 4.1なのでiPhoneと組み合わせて運用するとゲームプレイ時の遅延が気になるかも。

 

Fiio Q3

iPhone、Android両対応のUSB-DAC。

実売20,000円クラスでは評価の高いモデル。

D/Aチップは旭化成 AK4462搭載で2.5mm、4.4mmバランス出力両対応が魅力

サイズはやや大きめでいつも持ち歩くとなると躊躇しそう。

 

Fiio  BTR3K

手持ちの有線ヘッドホン、イヤホンを無線化できるBluetooth  DACです。

USB-DACとしても使用可能でありデバイスとの接続はUSB Type-Cで可能。

Android 端末はもちろんの事、変換ケーブルを使用すればiOSデバイス対応。

サイズは58x25x11mmと非常に小さく、バッテリーは最大11時間再生可能。

3.5mmミニジャックはもちろん2.5mmバランス出力にも対応しています。

DACチップは旭化成 AK4377Aを左右独立で2基搭載し高音質が期待できます。

よし、君に決めた!

というわけで早速ゲット!

パッケージ内容はこんな感じで携帯用のクリップやストラップ、USB-Cケーブルが付属します。

 

接続端子はUSB Type-C(以後、USB-Cと表記します)

USB-DACとして使用するためにはPC/Macの場合、USB-C<->USB-Cケーブルで接続しますがiPhone/iPadと接続するには専用のケーブルが必要です。

ここで注意が必要なのがUSB OTG(On-The-Go)対応であるかです。

そこで同じくFiioから発売されている「LT-LT1」を使用します。

このケーブルはFiio製品向けでiPhone/iPadのLightning端子とUSB-C端子を接続できます。

設定はFiioから配信されている専用アプリから行います。

APPStore からダウンロードしてインストールしましょう。

あとはBluetoothのペアリングを行い、イヤホンまたはヘッドホンを接続するだけで使用できます。

USB-DACとして利用する場合はInput PriorityUSB-DACFirstにしておく必要があります。

 

BTR3KをUSB-DACとして使用した場合の最大ビットレートは16bit/48kHzとなっています。

USB-DACとして再生するためには楽曲再生中にBluetooth経由かUSB経由かを選択します。

これ以上のビットレートを希望する場合は上位機種のBTR5の方が良いかもしれません。

 

BTR3Kを選んだのは2.5mmバランス接続端子があるためで、ここに手持ちのヘッドホンSONY MDR-M1STを接続して聴いてみましょう。

※ちなみに以前の記事に書いたように手持ちDAPに対応させるため2.5mmバランスケーブルを使用しています。

ハンク・モブレー/Mighty Moe and  Joe

まるでサックスと一体化したような印象的なジャケットが有名なジャズが熱かった時代のモブレーのアルバムから『Mighty Moe and Joe』を聴きます。

2:30ごろに右チャンネルから奏者の掛け声が聞こえるのですが思わず振り返ってしまいそうになります。

1957年の録音ですがノイズも抑えられたマスタリングで「これぞJAZZ!」といった熱気が嬉しいです。

クロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤング/Helpless

名盤「デジャ・ヴ」よりニール・ヤングの手になるこの曲は無力感や遠くへの憧憬といったティーンエイジに抱く感情が詰まっており、今だからこそ改めて聴きたい曲。

スチールギターのような音色と若きニール・ヤングの切ないヴォーカルが染みます。

2021年のリマスター音源であり、従来より楽器の定位が明確になりメンバーの距離間が見えてくるようです。

フォガット/Slow Ride

ハードロック好きな方には特におすすめしたいフォガット!

イギリス出身でありながらアメリカへ渡って大活躍した彼らの4thアルバム「Fool For The  City」の一曲。

ツインリードギターが売りですからハイレゾロスレスで聴くと両ギターの音色の違いもたっぷりと楽しめます。

村治佳織/ムーンリバー(『映画 テェファニーで朝食を』より)

ムーンリバーといえばオードリー・ヘップバーンがギターを奏でるシーンやラストシーの雨が思い浮かんできますが村治さんのギターの優しい音色は映画のイメージそのまのようにスッと心に沁みてきます。

音の解像度が高いほど柔らかくなるのかもと印象を新たにしました。

※ネットワーク環境のため、ロスレスでの試聴としましたがハイレゾロスレス、ドルビーアトモスでも配信されています。

空間オーディオ

ザ・ローリングストーンズ/Angie(2020)

アルバム「山羊の頭のスープ」から『Angie(2020)』を聴きます。

2020年のリマスター音源で音の粒立ちが素晴らしいです。

ヴォーカルがミックなのに(失礼!)大口にならずスッと定位する音場感は鳥肌もの。

できればスピーカーと大出力アンプで鳴らしたい曲ですね。

 

 

モーリス・ラヴェル「ボレロ」/ベルリンフィルハーモニー・カラヤン指揮

 

言わずと知れた「ボレロ」ですが改めて聴き直して見ると新たな発見があります。

1987年音源ですが当時最先端のデジタル録音を駆使しています。

ドルビーアトモスを駆使した空間オーディオの恩恵で非常にきめ細やかな所まで音が見えるようで各楽器が同じフレーズを演奏しながら楽曲を構築していく様をじっくりと楽しめます。

各楽器の位置関係が従来の録音より把握しやすくなっている印象を受けました。

指揮はヘルベルト・フォン・カラヤンでグラモフォンレーベルに残した膨大な音源がこれから聴けると思うとワクワクしてきます。

カーオーディオ

カーオーディオでロスレスを聴きたい場合はヘッドユニット、ナビの仕様に依存しますが一般的にビットレートが低く設定されている場合が多いです。

Bluetooth接続だとロスレス、ハイレゾロスレス再生してもビットレートが車両側で変換されてしまう場合があります。

このあたりの設定は変更する事も出来ない場合が多いのでUSB-DACから3.5mmステレオミニジャックからアナログ接続します。

カーオーディオではどうしてもスピーカーのサイズやロードノイズの関係で細かい音質評価は難しいですが音のきめ細やかさは感じ取れます。

ドアーズ/Riders On Storm

50周年記念盤としてリミックスされたジム・モリソン生前最後のアルバム L.A.WOMANからの名曲です。

空間オーディオ対応で導入部に聞こえるバンドメンバーのやり取り後雨音と遠雷が流れ静かに始まるドラムとキーボードの音がたまりません。

夏の夜に走行していたら本当に雨が降ってきたかと思うかもしれません。

ドアーズはベーシストがいないバンドで低音部はキーボードのレイ・マンザレクが左手でリズムを刻んでいます。

後期のツアーまでベーシストを起用せず4人で演奏していたのは本当にすごいです。

PC用USB-DACとして

Apple M1搭載 MacBook Pro 13インチにUSB-HUBを介して接続しました。

Macでの利用は接続後に設定>サウンド>サウンドを出力する装置を選択。

ケーブルは付属のものを使用しました。

一般的なUSB-Cケーブルだと正常に動作しない場合がありますのでご注意ください。

Windows環境の場合は下記にドライバーソフトが用意されています。

BTR3K サポートページ

まとめ

USB OTGに対応したLightning<->USB-Cケーブルは種類が少ないうえに相性もありますので万人向けではありませんが今回のように同じメーカーで揃えると安心して使えます。

USB-DACを使えばApple MusicをはじめAmazonMusicHDもPhone単体で聴くより高音質で音楽を楽しむことができます。

じゃんぱらでは各種USB-DACも買取、販売しています。

お探しの機種がありましたらぜひ検索してみてください。

それでは良いオーディオライフを!

以上、elmarがお送りしました。