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長~いゴールデンウィークも終わり少々お疲れモードの方も多いのではないでしょうか。
お久しぶりです、elmarです。
あたりまえのようにG.Wは皆勤賞を達成したりして、普通に疲れています。
さて今回のネタはこちら!
【iPhone用スピーカーの自作!】
でっす!
えー、なにもスピーカーなんか必要ないじゃん、イヤホンで聴けばいいんだし。
そんな声も聞こえてきそうですが私は気付いてしまったのです。
iPhone6の内蔵スピーカーの隠された実力に!
と、まあ、カッコつけてみましたが実はこんなところが発端でした。
iPhone6に搭載されているスピーカーはモノラル出力ですがサイズの割りに聞き取りやすい音で鳴ります。
スピーカーで再生中に机に置いたり角度をつけたりして聴いてみると音質が大きく変わる事に気付きます。
手で持って鳴らした時と机に置いて鳴らした時で音が違うんです。
はい、お手持ちのiPhoneで試してください!
べッべべ~ン、ベ_ベ_ベベーン~___
(お気に入りの曲を再生してみてください)
ね、変わるでしょ!
音の反射の関係ですから「当たり前」といえば当たり前なのですがオーディオマニアである
このelmarの耳は欺けませんぞ!
見せてもらおうか、iPhone6内蔵スピーカーの実力とやらを。
というわけで自分で木工してiPhone6専用スピーカーを作ってみようと思い立ちました。
まずはどんなスピーカーにするかを考えます。
おおよそ、スピーカーというものは大きければ大きいほど低音再生能力が高まります。
理想であれば無限大の大きさの板に小さなスピーカーユニットを取り付けるだけで素晴らしい再生が可能になるはずです。
しかし、実際にはそんな巨大なものは作れませんし、仮に作ったとしても家庭には置けませんよね。
このため、無限大バッフルを折り曲げて箱(エンクロージャー)としたものが一般的なスピーカーになるわけです。
(この形式に非常に近い「SIEMENS Baden」のような例外はあります。)
iPhone用スピーカーを考えるとき、スピーカーユニット自身の小ささが問題です。
また奥まった位置にあるためきっちりとボックスにはめる事も難しそうです。
そこで思いついたのがホーンスピーカーです。
オーディオの世界にはホーンスピーカーに対するある種の憧れがあります。
JBLの名器Paragonなどは独特のホーン構成を持ったスピーカーでした。
自身で使用しているJBLも同じくホーン構成を持っています。
ホーンスピーカーとはドライバーと呼ばれる振動部分を増幅させるため開口部をラッパ状にしたものです。
これは蓄音機の時代(さらにいえばエジソンの蝋菅にさかのぼる)にプレーヤーからの微小振動を可能なかぎり増幅するために生まれたようです。
チューバやトランペットといった金管楽器も音源から広くなっていくホーン構造ですね。
ホーンスピーカーで再生すると音の伝達が速くなるように感じられ特に管楽器の輝きが違います。
デメリットとしては低音の再生が難しい事です。
これはホーンロードが長ければ長いほどカットオフ周波数が下がり低音も出るのですが十分に確保することが難しくシステム全体を考えると現実的ではないことが要因の一つ。
また長くなるほど伝播速度も変わっていき高音と低音の時間差ができてしまう事も考えられます。
ONKYOがグランセプターGS-1としてオールホーンのシステムを製造していましたが十分な低音は出せていなかった記憶があります。
iiPhone6をドライバーとして用いて現実的な(?)スピーカーを作ってみようと思います。
まずはどの位の音が出せるのを確認してみましょう。
100円ショップで購入したメガホンにiPhone6のスピーカー部をあてがってみると…
お、いい感じで拡声されてます!
とはいえやはりメガホンの音はトンネルで響く音に近く何だかはっきりしません。
次に考えたのが一般的なスピーカーの形式、つまりスピーカーボックス(エンクロージャー)です。
使うのはコレ
おそらく塩化ビニール製の収納BOXです。
これにスリットを開けてiPhone6を差し込んでみようと思います。
場所を決めてカッターで切り抜きます。
完成!
早速、試聴してみましょう!
メガホンと比べると箱型にしたことにより低音が増強されでふくよかな音になります。
どちらもiPhone6単体で鳴らすよりは良くなるのですが一長一短です。
そこで思い切って木工で作っちゃいます。
スピーカーのタイプとしては自作スピーカーとしては王道の一つである形式
「バックロードホーン」を目指します。
この形式はスピーカー背面の音を折り曲げて低音を増強する仕組みでアンプの出力が大きくとれなかった
真空管アンプの時代に使わていたようです。
以前もお話しした自作スピーカーの神様と呼ばれた長岡鉄男氏も多くの傑作を設計されました。
本来は音道の長さとユニットの関係をもっと考察して設計するものですが
勢いで木材を切りはりして一気に作っちゃいます。
※おすすめできる手法ではないので作成される場合はご注意ください。
効果が得られなくても保証致しかねます。。。
さて、用意したのはこのタイプの板材。
後から塗装するのが面倒かとも思われたので木目が荒く、ダークブラウンに着色済みのものを選びました。
選んだ木材のサイズ
前面x背面用: 長さ90cm,幅9cm、奥行(板厚)1.2cm x2枚
側面用:長さ90cm,幅4.5cm、奥行(板厚)1.2cm x2枚
音道用:長さ60cm,幅60cm,奥行(板厚)1.2cm x1枚
皆さんが作成される場合はなるべくフラットな木材をおすすめします。
後述する音道を作ったりキャビネット全体の密閉性を出すのに苦労しなくて済みます。
高さは大体で決めています。部屋に置いて邪魔にならない程度です。
幅は手間を省くため買ってきたままです。
高さ45cm、幅9cm、奥行6.4cmの細長い箱型を目標にします。
目的の長さに木材を切ります。
ギコギコ。。。
プラモやハンダづけならお手の物ですが木工はあまりやっていない分野なので見事に曲がったりしてます(汗
本来は綿密な計算をして設計するのですが私にはハードルが高そうなので、できる範囲でやってみました。
前面板と背面板に互い違いに板を接着していきます。
こうすることにより音道を折り曲げ増強させるつもりなのです。
切り出しができたら接着面を下地処理用の紙やすりでならしておき木工用ボンドで接着します。
前後の板と左右の板を組み合わせて接着します。
音漏れを避けるため接着面にはたっぷりとボンドを流し込みます。
接着できたら固定するか重しをしてきっちりと固めます。
完成!!
今回は実験に近いので細かな仕上げはスキップします。
それではさっそくテストしてみます。
動画は以前作成した「じゃんぱらテーマソング」そのほかです。
どうでしょうか、スピーカーに入れた状態とiPhone単体での音が大きく変わりますね。
バリトンなんかはすごい差が出ます。
iPhone6本体の音楽再生の設定を低音増強にしておくといいですね。
設定>ミュージック>イコライザ>BassBooster
iPhone6が斜めに入っているのは四角の対向面ばかりで作ったスピーカーですので定在波が発生しやすくなるかもしれないので多少なりとも和らげるため音源のスピーカーを斜めにしています。
iPhone6の固定はスピーカー上部を開けておき隙間を残して仕切り板を装着しておきます。
この位置は重要みたいで、上げたり下げたりするだけで音質が変わります。
iPhone本体から直接出てくる音が聞こえないとヌケが悪い音になってしまう傾向があります。
モノラル音源のジャズやロックもシンプルなサウンドで楽しめます。
大人の事情でサンプル動画をお出し出来ないのが残念ですが。
スピーカーの切り口とか綺麗にしなければいけないところもあるので時間があったらきっちりと仕上げて鏡面仕上げとかもやってみたいですね。
今年の夏も暑くなりそうですので皆様、ご自愛ください。
以上、elmarがお送りしました。