梅雨の季節はお出かけするのがちょっと億劫になる事もありますがこの時期にしか撮れないものもあります。
瑞々しい瞬間を探してカメラを持って出かけるのもいいですね。
お久しぶりです、elmarです。
カメラ好きのelmarですが日常の写真撮影はスマートフォンで行う事が多いです。
iPhone14 Proのカメラは優秀でこれ一台でほとんどの撮影をこなす事も可能でしょう。
でもちょっと味気ない感じもするのは機械をいじっている感触が少ないのと「写りすぎる」ところでしょうか。
ある日、こんな商品を見つけました。
7Artisans ハンディスプリットディオプター(手持ち式フィルター)HSD-2
半月状のレンズにアームを取り付けたような商品で撮影レンズの前にかざして使います。
今回はこのアイテムを使ってちょっと変わった写真を撮ってみようと思います。
写真レンズの歴史は収差との戦いで対象が歪まず、像面が平坦なものを追い求めてきました。
1897年に発表された有名なCarlZeissのPlanarレンズはドイツ語で「平坦」を指すPlanから名付けられたそうです。
ダブルガウス型に代表される対象型のレンズ構成とする事で各収差を良好に補正できますから現代でも、ほとんどの一眼レフ用の標準レンズがこの派生型と言っても差し支えないほど普及しています。
このようなレンズは優秀ですが撮影者の意図によっては描写に破綻がないのが「面白味がない」というイメージを持たれたりします。
そこでちょっとしたスパイスとして前述のアイテムを使ってみたいと思います。
7Artisans HSD-2は半月状の光学レンズを通して画面の一部をぼかしたり、歪めたりする事ができます。
屈折率の強さの違いで+1dpt(ディオプター)または+2dptがラインナップされています。
このdpt(ディオプター)はカメラのビューファインダーの視度補正やメガネの度数として使われる単位ですね。
例えばカメラのファインダーの視度補正ダイヤルを回して覗くとピントが合っておらずぼやけて見えたり小さく見えたりします。
このアイテムはこの効果を活かしてピント位置をずらしたりボケ具合を変える事ができます。
使用するレンズによって適切な視度は変わりますのでメーカーHPで確認して選んでください。
今回、elmarはNikon Z fcとNIKKOR Z 40mm F2(SE) を使用しますので+2dptの商品を選択しました。
7Artisans HSD-2はこの効果をレンズの前にかざす事で一部分をぼかしたり、反射光を入れたりといったエモーショナルな(いわゆるエモい)写真を撮ることができます。
パッケージ内容は本体とロッドが2本収納されています。
ロッドは連結して使用できます。
パンケーキレンズなど全長の短いものは一つでiいけるかもしれませんが一般的なレンズでは連結した状態で本体にねじ込みます。
組み立てるとこんな感じです。
ロッドをつまんだり画面に入る位置を調整できます。
そしてこのようにレンズ前にかざして使用します。
ファインダー側から見るとこんな感じです。
半月状のレンズは片面が凸面、反対側が平面となっておりロッドをねじ込む方向によって使い分けができます。
効果を見ながら撮影するので三脚があった方が良いですがカジュアルに楽しみたいのでほとんどの撮影を手持ちで行いました。
それでは早速、撮影してみましょう。
作例の【HSDあり】【HSDなし】は今回取り上げる7Artisans ハンディスプリットディオプター(手持ち式フィルター)HSD-2を使って撮影したか否かです。
まずはHSD-2を使用せず遠景にピントを合わせて手前をボカしてみます。
画面奥の東京スカイツリーにピントを合わせていますので右側手前の草花がボケて遠近感があります。
それではHSD-2をレンズの前にかざして撮影してみましょう。
このように画面右半分にかざして大きくボカしてみました。
絞り効果から来るボケとは違い焦点がずれるので大きくボカす事ができます。
HSDなしで撮影。
ピントは手前の草花に合わせています。
画面の半分くらいにかかるようにHSDをかざして撮影。
ボケ方が独特でちょっと不思議な雰囲気になりますね。
東京都北区の飛鳥山公園にて。
手前のアジサイにピントを合わせてHSDなしで撮影。
小雨があがったタイミングだったのでアジサイも瑞々しいです。
画面左側にHSDをかざしての撮影。
逆光気味のため光も少し滲んでメインのアジサイが際立ちます。
草木の影にある花を狙います。
背景がやや暗いのでアジサイの色味が引き立ちます。
【HSDあり】手前にある葉っぱを大きくボカすようにかざしています。
前ボケを大きくする事によりメインの被写体を浮き立たせます。
作例続きます
メインの被写体にかぶせると二重に映る場合もあります。
HSDの角度を色々と変えながら撮影してみてください。
新しい視点が発見できるかもしれません。
まとめ
7Artisans ハンディスプリットディオプター(手持ち式フィルター)HSD-2
このアイテムはうまく使うと非常に印象的な映像を残す事ができます。
分解すれば72mmクラスのフィルターケースくらいの大きさなのでカメラバッグに忍ばせておくと便利ですね。
今回は試しませんでしたが動画で使う事もできるでしょう。
その場合はカメラを適当なリグに入れてクランプなどでHSDを固定して使うとよいかもしれません。
使用していて感じましたが35mmフルサイズ以上のフォーマットの方がこのアイテムを有効に使えるかもしれません。
中判デジタルカメラやフィルムカメラでも試してみたいアイテムです。
まだまだ梅雨は続きそうですがお身体、ご自愛ください。
以上、elmarがお送りしました。