いつまでも暑い日が続きましたがようやく涼しくなりそうです。
秋が待ちきれないelmarです。
今回はNikon Zマウント用フルサイズ対応の超望遠レンズを入手したので試していきます。
TTartisan 500mm f/6.3 Telephoto
Nikon Zマウント用純正望遠レンズといえば NIKKOR Z 600mm f6.3 VR Sをはじめ多数ラインナップがあり、いずれも高い光学性能を誇りますが非常に高価です。
elmarの用途では年に数回しか使う機会もありません。
それでも時々は必要なシーンがあります。
その際は以前に書いた記事のようにマイクロフォーサーズ機と望遠ズームで撮影していましたが今回、TTartisanのこのレンズが発売されたのを知り試してみたくなりました。
価格は60,000円を切っており非常にリーズナブルです。
Nikon Zf にセットするとこんな感じ。
ガン⚪︎ムのザクバズーカかボ⚪︎ムズのソリッドシューターといった風情になりますね。
主な仕様
- サイズ:約 Φ88×318mm(マウント部除く)
- 質量:約 1615g
- 焦点距離:500mm
- フォーカス:MF(マニュアルフォーカス)
- レンズ構成:5群8枚(ED(特殊低分散)レンズ2枚、高屈折レンズ2枚)
- 最短撮影距離:3.3m
- 絞り:F6.3-F32
- 絞り羽根:12枚
- フィルター径:82mm
- 付属品:メタルレンズフード、フロントキャップ、リアキャップ
重量は約1.6Kgで500mmレンズとしては軽量です。
三脚座は取り外しも可能で撮影シーンによっては軽量化を図ることも出来そうです。
取り扱い説明書や、本体に記載もありますがこの三脚座は位置決め用のピンやレンズ側の抉り加工もありませんので固定ネジが緩んでいるとすっぽ抜けます。
運搬時はレンズ本体を持つようにしましょう。
絞りリング、フォーカスリングともフォローフォーカスのギアに対応しており動画での使用も考えられています。
最小絞りはF32、12枚羽根の円形絞りとなっていて美しいボケも期待できます。
Nikon Zfとの組み合わせでは約2.3Kg程度でelmar的には手持ち撮影は苦になりません。
elmarは過去に300/2.8や500/4.5といった2kg超えのレンズとモータードライブ付きのフィルムカメラ(約1.5kg)をサーキットで振り回していた事があるのでそう感じますが一般的には重いと感じるかもしれません。
実際に撮影では重量以上にその長さもちょっと気を使います。
ただ、これは自動車やバイクの運転のように車幅感覚に慣れるしかないので可能なら安全な場所で取り回しの練習をしておきたいです。
東京ゲートブリッジから遠方を狙います。
晴天ですが湿度が高く遠景は霞む傾向にあります。
このように明るさがある時なら心配はありませんが、このレンズは500mm.。
ブレとの戦いです。
カメラボディ側に手ブレ補正機構が内蔵されている機種でも可能な限り速いシャッター速度が切れるようにISO感度、絞りを設定します。
500mmレンズですからブレ補正なければ1/250秒以上、できれば1/500秒が切れるように意識しましょう。
1/60秒以下になると手ブレ、被写体ブレが顕著に影響してきます。
フォーカスについてはカメラの設定でフォーカスピーキングや画面拡大を利用して合わせるといいでしょう。
elmarはNikon Zfの設定でフォーカスピーキングをオン、被写体認識をオンにして適時、拡大を併用してマニュアルフォーカスを行いやすくしています。
フォーカスリングはやや重いのですがスカスカではなくじっくりとピント合わせができます。
絞りはクリックストップのない動画対応の仕様です
それでは早速、撮影してみましょう。
滑走路から駐機場所へ移動している旅客機。
一般的なスマートフォンの画角に相当する28mmレンズで撮影するとこの距離感ですが500mmレンズで撮影すると画面の端に小さく映っていた飛行機がぐんと大きく撮影できます。
湾岸周辺を被写体探して走っている時見つけた撮影スポットにて
タキシング中のエンジンから発生する排熱で陽炎のように滲みが出ます。
こういった空気の厚みを感じられるのも望遠レンズならでは。
ISO感度、シャッター速度を落として着陸中の旅客機を流し撮りに挑戦。
この撮影場所は手前に構造物が多くちょっと煩い画面になってしまいましたがこのレンズは500mmレンズとしては比較的、軽量なため振り回しは容易です。
ニアミス?
望遠レンズの圧縮効果で近くにあるように見えますが実際は両機の間には数百メートルは離れていたはず。
このように偶然に狭い画角に入ってくる被写体を生かすかも望遠レンズでの撮影の楽しいところでもあり難しいところです。
撮影ポイント近くの干潟で翼を乾かしている鵜を見つけました。
Nikon Z fのモノクロームモードで撮影します。
いい面構えの一羽で今回の助演男優賞に推したいです。
羽田空港付近から若洲海浜公園へ移動して撮影を続けます。
最短撮影距離付近で撮影しています。
ボケ方は大きなクセもなく自然。
解像度はさほど高くはありませんがこの価格帯なら充分以上と思います。
東京湾を行き来する船舶。
左奥には「川崎人工島 風の塔」が見えます。
こちらは港湾施設越しに遠方の富士山を狙ってみました。
夏場の撮影で湿気が多くやや霞がかかっています。
手前のクレーンはややピンボケになりますが何とか撮影できました。
LightroomClassicでモノクロ変換、霞の除去、コントラスト調整を行っています。
このように圧縮効果を使って絵画的に仕上げることも可能です。
ヒコーキ撮影をしていると何やらカワイイ機体が!
天体写真にも使えそうなので月面撮影に挑戦してみます。
クリックして拡大するとクレーターをクッキリと見ることができます。
次はiPhone14Proの標準画角である24mm相当で撮影した場所から500mmレンズで狙ってみます。
夕焼けの綺麗な日でした。
画面中央に小さく見える塔を本レンズで狙います。
ここまでクローズアップできます!背景の雲と夕日のグラデーションが美しい。
夕暮れの反射光を生かしてクルマのボディラインを望遠レンズの圧縮効果を生かしてグラマラスにしてみました。
本稿執筆中にようやく曼珠沙華が見頃に差し掛かってきたので急遽、追加撮影しました。
撮影距離にもよりますがこのように背景を完全にボカす事も可能。
最短撮影距離の3.3m付近で狙っていたらアゲハ蝶が突然の訪問。
蝶は後ピンとなってしまいましたが助演女優賞あげたいです。
いかがだったでしょうか。
TTartisan 500mm f/6.3 Telephoto は手頃な価格で非日常の体験ができる面白いレンズです。
マニュアルフォーカスは慣れないとピンボケ写真を量産しますがどこにピントを合わせるかは写真の基本でもあります。
フィルム時代のように現像代がかさむ事もありませんから心置きなく練習ができます。
常用レンズ以外の焦点距離のレンズは撮影の幅、作品の幅を広げてくれます。
ぜひ、新たな領域にチャレンジしてみてください。
以上、elmarがお送りました。