昨年、発売され大きな話題となったAppleの新しいシステムAppleSilicon M1

elmarも発売時に購入して楽しんでいます。

店頭でお客さまの声を聞くと「ソフトが対応していないから移行できない」

「処理速度は速いがプロ向け機がない」

などある程度のネガティヴなご意見があることも事実。

確かに全く新しくなったSoCで対応ができないアプリやソフトもあります。

Appleでは互換性を保つため「Rosetta 2」という所謂、翻訳ソフトを実装する事で従来のアプリケーションを使用可能としています。

これからは数回に渡ってApple M1搭載マシンでいろんな事にチャレンジしてみます。

今回試すのは一眼カメラを使用した【テザー撮影】です。

特にフォトグラファーには必須な機能。

撮影した画像をパソコンやタブレット端末上にリアルタイムで映し出してピントや露出のチェック、構図の確認など行う事ができます。

今回はSONY ILCE-7RM2 α7RIIを使用します。

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閲覧にはAdobe Lightroomを使用するのが一般的ですが残念ながらSONY製カメラは非対応となっています。

SONYの一眼カメラの場合は純正ソフトウェア【Imaging Edge Desktop】が必要です。

imageedgedesktop

Windows版、Mac版を選んでダウンロード、インストールしておきます。

今回、モデルとして出演(?)していただくのはハッセルブラッドとゼンザブロニカS2といった中判フィルムカメラです。

(こういったモデルなら沢山ストックがあるので)

1960-70年代のカメラはクロームメッキが施されているものが多く撮影の際には映り込みに注意が必要です。

カメラの液晶画面やファインダーでは気づけない映り込みなどをより緻密なパソコン画面で確認することができます。

撮影するカメラによっては無線LAN接続も可能ですがプロの現場では安定性重視でケーブル接続を優先することが多いようです。

今回はUSB接続で試しています。

アプリを起動すると画像の保存先がデフォルトの場所に設定されます。

これは後でLightroomなど写真編集ソフトで調整するときに探しにくいのでわかりやすい名前をつけたフォルダーを作成しておくと良いでしょう。

カメラのUSB接続設定の変更も必要になりますので忘れずに行なっておきましょう。

通常は画像読み込みのために「マスストレージ」に設定することが多いですが「 PCリモート」に設定します。

「オート」でも構いませんがプロの現場を想定するとクライアントが見ている前で誤動作されたり接続トラブルがあったりするのは次回の仕事に影響しかねません。

ここは「決め打ち」一択です。

麻雀に例えるなら三色同順を上がってどうにかトップになれる南4局でカンチャンで行くかリャンメンで行って2位でもよしとするかの選択みたいです。

脱線しました・・・。

それでは実際に撮影してみましょう。

まずはカメラとPCをUSBケーブルで接続。

カメラの付属品に「ケーブルプロテクター」がある場合は取り付けておくとケーブルの緩みや脱落防止に役立ちます。

インストール後、Lanchpadから開きます。

アプリ上にアイコンがあるようにRはRemote、VはView、EはEditです。

初回起動時には追加インストールが発生しますのでご注意ください。

※現時点ではmacOS 11.0 Big SurはSONY公式サイトによると非対応となっています。

※elmarの環境では不具合なく動作していますが動作を保証するものではありませんのでご理解のほどよろしくお願いします。

Remoteを起動するとこんな感じです

Remoteを起動するとこんな感じです

PC側から露出モード、ISO感度などの設定が可能です。

Hsselblad500c

実際に撮影してみました

撮影していくとView画面に次々と反映されていきます。

macOS11のSidecar機能を用いてiPad Proに表示させる事も可能。

SIDECAR

M1 MacbookProとiPad Pro

複数人で確認する事も容易なのでソーシャルディスタンスの確保にも結び付くかもしれません。

商品撮影やモデル撮影などでごく一部だけ変化させて撮影するような場合はオーバーレイを使用すると便利です。

ピントフードの開閉して位置合わせを行います

これは撮影済の画像をライブビュー画面に重ねて表示させるもので一眼カメラならレンズ装着時の写真と取り外し時の写真が必要な場合などに便利です。

オーバーレイはRemote画面上のツールバーから設定します。

クリックして元になるファイルを選べばあたかも投影されているように実際の撮影画面に重なります。

透明度などは好みで設定しましょう。

ちなみにこのカメラは1960年頃、スウェーデンで製造されたHasselblad 500Cです。6×6センチ判一眼レフとしては小型でありながらシステムカメラとしての完成度が高く長きにわたってプロの道具であり続けました。

オーバーレイはこのような撮影を行う時に便利です。

Hasselbrad 500シリーズはこのようにカメラボディ、レンズ、フィルムバック、ファインダー、巻き上げクランク(またはノブ)とバラバラにすることが可能で必要に応じてオプションパーツと交換する事ができます。

※レンズ脱着はシャッターチャージ後に行う事が鉄則です。

オーバーレイを行いながら撮影する事により核となるボディの位置決めを簡単に行う事ができ作業効率が上がります。

Zenza BRONICA S2

Zenza BRONICA S2

和製ハッセルブラッドとも呼ばれたブロニカS2です。

すごく金属感がありシャッター音も大きいカメラですがハッセルブラッドとは違う重厚さがあります。

Hasselbrad 500cにブロニカS2をオーバーレイさせるとやっぱり少し大きいですね。

かつてはライバルであった2台ですがどちらもいい顔をしています。

テザー撮影はこのような屋内スタジオでの撮影に向いていますがインターバル撮影も可能です。

カメラを固定して日の出や日の入りを連続撮影するなど用途は様々です。

Apple M1 Macbook Proで使用する限りは安定して動作しています。

次回はAdobe Premire Proを用いた動画編集を行い様々な検証をしていきます。

以上、elmarがお送りしました。

 

【使用機材】

カメラ:SONY ILCE -7RM2

レンズ:SIGMA A70mm F2.8 Macro DG(EF)+MC−11(EF-E)

ライト:Newer LEDリングライト 1灯、LEDライト 1灯