去る冬の日、Rudraのもとに悲報届く。
★Kindle Oasisの応援ありがとうございました! Amazon先生の次回作にご期待ください——(*Kindle Oasisの終売)
おいうそだろ……せめて連載中の「Oasis、Type-Cを得て究極完全体になる」編だけでも完結してけって……!!
Oasis難民になってしまったので、連載打ち切りになったOasisと作風が似ているONYX先生のBOOX GoColor 7を買ってみたって話をしますね。
はたしてBOOXはOasis難民の心の精神的オアシスになれるのか。
Oasisシリーズは、知る人ぞ知る名機、Kindle Voyageの精神的後継機。
Voyageは1代きりで終了してしまいましたが、防水機能に加え、ページ送りボタンをベゼルに備えた、ハイエンドなKindle。
ウォークマンでいうと、NW-X1000みたいな感じのヤツ。
この喩えは誰に伝わるんだろうか。
ハイエンドKindleの系譜を継いだホープ、Oasisの登場は2017年まで遡ります。
その後世代を重ねて、Voyageから引き継いだページ送りボタンや防水を備えつつ、大画面化、薄ベゼル化、(防水はその後Paperwhiteにも搭載)、ハイエンドとは斯くあるべしといった、全部盛りの端末でした。
ある1点を除いて……
そう、Type-C。チミのことだよ。
Oasisは、初代→2代目で大画面化と薄ベゼルを果たし(コンパクトな方が良かったという賛否もありつつ)、次の世代にて色温度調整機能が追加されましたが、Oasisには終ぞType-Cモデルが出ずじまい。
Rudraの自室で日常的にMicroUSBを使わされているのは、もうKindle Oasisだけなんですよね。
充電あんまりしないから良いじゃん、と言われそうですが、Rudraのは酷使されすぎて今や1時間半で90%くらい減ります。1週間半じゃなくて、1時間半。ほぼ壊れてます。
さらに充電しながらの使用で加速度的にバッテリー寿命が現在進行系で削られていきます。
また、RudraのOasis 9世代は旧世代であるからして(ダジャレじゃないですよ)仕方ありませんが、電子ペーパー液晶の応答速度が遅いのと、SoC的な意味でも遅く、頻繁にKindleストアが応答しなくったり「ページを表示できません」エラーでフリーズしたり、ページを送ると真っ白になり、スリープON/OFFしないと戻らなかったりと地味なストレスを量産してきます。
ストアで頻繁にローディングが入るのが超ストレス。初代Scribeでもたまに発生するのでOasisだけの問題ではないですが、Android版のKindleアプリから直接本が購入できなくなったために、Kindleで続編の本を流れで注文してすぐ読める、というシームレスさが失われています。
それなら手近なPC、スマホなどでAmazonで検索して注文→Kindle端末のライブラリを更新してDL…のほうがよっぽど早いため、ストアから直接購入できる機能を諦めるなら、Kindle端末じゃなくて良くない? という結論に。
買い替え先として白羽の矢が立ったのは、BOOX Go Color 7(以下GC7)。
ちなみに、Rudraは2019年ごろにBOOX Poke Proを使っていたことがあります。
9世代Oasisと並べてみます。
Oasisは、重心がページ送りボタン側に偏っていて、ウォークマンZXシリーズを彷彿とさせます。こいつ毎回ウォークマンを彷彿しとるな。
基本的に片手操作を想定しており、厚いところをガッツリ掴むことで、持ちやすさと絶妙な重心バランスを実現し、快適性に寄与しているというわけ。
RudraはここにMagsafe用のリングを切り貼りして、MagsafeプレートにPopSocketsを貼って使ってます。
重心が手元寄りのほうが疲れにくく重さを軽減できるので、GC7もこのバランス感覚はパク……見習ってほしかったところ。
でもスタンドとかに立てかける際にOasisの形状は安定しないので、一長一短ですね。
重量はGC7のほうが僅かに重いですが、誤差程度で収まっています。というか、Bluetoothやスピーカーなど、色々足してあってこの重量差で抑えたのがすごいんだよなあ。
Oasis比で大きく水を開けて勝るのはやはりカラーE Ink(電子ペーパー)搭載なところ。
カラーE Ink自体、新しい技術ではありませんが、なにぶんE Ink搭載機の絶対数が少ない以上、カラーE Inkを目にする機会は多くはありません。
Rudraはプライベートの所持品としては初となるカラーE Ink体験です。
これまではマンガや小説の表紙がモノクロで表現されていたところに色が付いただけでも革命的です。

花唄メモワール(著:一ノ瀬けい)大正時代にタイムスリップしてしまった主人公、梅の奮闘記。大正時代といえば偽りのマリィゴールドとか大正やきう…大正野球娘。とか大正忌憚魔女とか紡ぐ乙女と大正の月とか色々あるけど花唄メモワールも良いぞ。
小説の地の文で「黒髪」「碧眼」「深緑の」とかの文脈を見ながら「ああ、この表紙に描かれてるキャラか」と表紙や登場人物一覧ページに飛んでキャラのビジュアルを確認しにいけるようになりました。
色再現度は液晶や有機ELとは比ぶべくもありませんが、今までカラーページだけわざわざ別の端末で見てたことを考えれば、ね。
AndroidベースのカスタムROMですので、Playストアも普通に使えます。
ということでRudraのメインのプラットフォームのKindleをいの一番にインストール。
要はAndroid版のKindleアプリをE Ink端末にインストールしたってだけなので、まぁ想像通り普通に使えます。
Android買ったらまずRotation Controlいれるって人に朗報です。
なんと、このタブレット、純正機能で回転の制御機能が搭載しています。
これ初めて使った人には「垂直方向のみに自動回転」とか設定できるのがこんなに快適なのか…と心底ビビるはず。
Kindleでもこのように横向きで本が読めるのでめっちゃいいぞ。
純正のKindle端末でも横向きで読める(「Aa」マーク→レイアウト→方向)んですけど、ちょっとステップ多いんですよね。
あと、Oasisだと横向きのとき、デフォルト設定だと「右ボタンで左にスクロールする」ので頭がおかしくなる。
そもそもKindleはデフォルトだと上ボタン押すと次のページに行くのってなんかモヤモヤするんだよなあ。でも上ボタンに指添えたほうが重心が安定するってのもわかる。
ちなみに上下ボタンを反転する設定は、Kindle OasisもGC7もどちらも対応してますのでお好みでどうぞ。
これ結構盲点だったのですが、Kindleのページ送りのアニメーションがめちゃくちゃ鬱陶しいです。
普通のAndroid版のKindleではページ遷移のアニメーションが入るのですが、これをオフにできないため、E Ink端末では残像が入りやすいんですよね。
ページ送りボタンでめくればマシになりますが、指のスワイプでのページ送りは結構ごちゃごちゃしちゃって気が散りますね。
ページ送りには、Kindle側の設定で「ボリュームでページ送り」をONにしておく必要があります。
ボリュームでページ送りできるようにすると、Kindleアプリを開いている間はボタンでのボリューム調整ができなくなるので、コントロールパネルからボリューム調整する必要があります。
後述しますが、アプリによってただのスクロールに設定することも可。気が利きすぎている。
Kindle端末と違うユニークな点として、リフレッシュレートをユーザー側で調整できること。
しかもアプリによって別々の設定ができるという充実ぶり。
リフレッシュレートは早いほど残像(ゴースト)が残りやすく、遅いほど表示が鮮明に。
Chromeなどは最速にしておいて、電子書籍アプリでは少し遅めにしておくと良さそうです。
リフレッシュレートの違いはこんな感じ。
DPIもアプリごとに変更が可能。DPIを変更すると、アプリ側のGUIがタブレット⇔スマホ で切り替わるようなアプリを想定していると思われます。
デフォルト表示がフィットしないときに使えそうですね。
GUIが切り替わるアプリがAppleMusic以外に咄嗟に思いつかなかったので、AppleMusicで試してみます。
こんな感じで、スマホ向けGUIとタブレット向けGUIを切り替えできます。
Kindle端末で読むのはちょっと面倒なPDFも、PCに繋いでドラッグアンドドロップするか、MicroSDカードに突っ込んで適当に入れておけばラクに読めます。
まぁそりゃAndroidなので当然ってハナシで特段驚きはありませんが、ちょっと面白いのが、OS純正機能でOneDriveなどのクラウドストレージにログインして、自炊本やPDFなどをサクッと読める機能があるんですよね。
このように、PC側でOneDriveにアップしておけばあとはいつでも(ネット環境があれば)BOOXで読めるってわけ。
Perfect Viewer!!!!!
Perfect Viewerといえば、自炊界隈では老舗アプリ。ZIP,RAR,MOBI,EPUB,HTML,CBR,CBZ,7z,PDFに、TARファイルなんかまで扱えます。
TARファイルって、某銀河Androidを北欧神話の主神の名を冠したアプリに繋ぐ時くらいしか見たことないぞ……。
Perfect Viewer、以下PVでは、電子ペーパー端末専用の設定があったり、KindleプラットフォームにおいてKindle端末のみ使える(ややこしい)、「余白を切り取る」機能もあります。Kindle上では「余白を狭める」って名前のヤツです。
タブレットと比べちゃうと、マンガを読むにはちょい手狭なサイズなので、この余白カット機能の利用は必須。
Kindle端末で自炊本を読むにはちょっと面倒だったので、SDカードにまとめて転送したものをそのまま読めるってのはやっぱり正義ですね。
ChromeもPixivアプリも使えるので、Webの各種プラットフォームであちこちに公開されているアマチュア作品とかも当然読めます。正直こういうの読んでるだけで一生時間潰せそう。

小説版 八月のシンデレラナイン 〜before summer〜 第4話 河北智恵 夏の青写真(著:片瀬チヲル)通称ハチナイというやきう…野球*女子高生を題材にしたソーシャルゲームのスピンオフ小説。アニメもあるので小説→アニメ見るのがオススメ。ていうかゲームは最近サ終してしまったので…
こういう公式HPに公開されてる無料小説とかも普通にChromeからめちゃめちゃ読める。
ChromeやPixivも動くといっても、普通のスマホとかで読んだほうがいいんじゃない?
と思われるかもしれませんが、スマホやタブレットだと他に気が散るので、BOOXを使うメリットは結構あります。特にRudraは集中力が皆無なので…
あともう一つの大きいメリットとして、ページ送りボタンがある程度自由に設定できるため、ChromeなどでWeb小説を読んでいる間でもページ送りはできます!
ページ送りボタン、皆さんお察しの通り、正体はボリュームボタンです。
ボリューム調整ボタンでページ送りできるKindleのようなアプリ以外でも動くように工夫されています。
なんと「ボリュームでページ送り」 に非対応のアプリでもスクロール可能になります。
これによって、Chromeなどでのスクロールもちゃんとこなせます。これホント偉い……!
ちなみにボタンの上下設定の入れ替えは前述の通り可能ですが、長押しにフルリフレッシュ(ゴーストを一掃する)とかほかにも色々機能の割当ができます。これ便利。
ボタンの配置切り替えは、なぜか「モード1」と「組み合わせ2」と表現されている。そして組み合わせ1とモード2はない。
めっちゃモヤる。
あと、アプリごとに設定が可能。カスタマイズ箇所多すぎて恐れ入ります。
組み合わせ1とモード2はないけど。
端末を買うと欲しくなる周辺機器ですが、GC7はつまるところAndroidタブレットなので、よくあるアクセサリーを繋げばちょっと便利になるんですよね。
普通にAndroidなのでYoutubeやApple Musicも普通に視聴できるわけですが、そういう目的ではなく、「ボリュームでページ送り」をイヤホンでもやれるよねという発想。
3.5mmのイヤホンは繋げないので、Type-Cを変換するかBluetoothが必要です。
手元でページ送りできるの、めっちゃいいぞ……
基本的にキーボードの右・左などでもページ送りは可能です。
久しぶりに使おうと思ったらバッテリーがなかったので断念しましたが、たぶんXinputのゲームパッドもつながると思います。
絵描きに人気の8BitDo のゲームパッド(Microとか)が余ってればページ送り用のリモコンとして使うのもありですね。クリエイター系趣味の人の家には余ってるでしょ?
どちらかというとイヤホンでページ送りとかいう変な小細工の効かないKindle向けですが、外付けページ送り用のリモコンもあります。これおすすめ。
ケース問題ですが、できるだけ軽くしたく、かつ、PopSocketsが使いたい……ということで、Kindle Paperwhite用のPalmo Caseをギャンブル購入。
んで真ん中に、Magsafe対応プレートに貼ったPopSocketsを忍ばすことでPopSocketsに対応しました。
これ思いついたとき、正直天才かと思いました。
もちろんPalmoそのものをバンドとしても使用可能です。
が、GC7がPaperwhiteより横幅が広く、結構無理して装着しているため、長時間使うと手が壊死します。
壊死する前に持ち替えたり自衛しましょう。
主要機能を紹介しましたが、本当に細かい重箱の隅の部分をさらっとまとめて紹介します。
- Apple Musicとか聞けるのちょっと便利
これ!!!!
Rudraは読書中に無音だと集中力がナメクジになるので、読書中にBOOXのスピーカーからそのままApple Music Classicでゆったりめの三拍子の曲を垂れ流したりしてます。ラヴェルのボレロとか。
組曲:惑星の木星、レクイエムのイントロイトゥス、キリエ、ディエス・エレあたりが一番好きだけど、読書中にはテンション上がりすぎるので……リラックスタイムのボレロは最高だぞ。
電子書籍って当然ですがページ送りが無音なので、紙をめくる音って大事だったんだなあと今更実感します。
- バッテリー持ちはそんなに
バッテリー持ちはそんなにです。Androidが載ってる時点で察してください。
といっても3日くらいは余裕で持ちますし、しばらく動かさない期間があると、自動でシャットダウンする機能があるため(変更可能)、久しぶりに取り出して使おうと思ったときに充電空っぽで「😡💢⁉️💢💢🤯⁉️😡🤯⁉️⁉️💢💢⁉️🤯💢😡」ってなることは激減します。
スマホは自動シャットダウンされてると困りますが、BOOXは電子書籍リーダーなので自動シャットダウンされても困らないですからね。地味に気が利いてる。
- やっぱ防水はほしい
OasisやPaperWhiteからの買い替えだと気になるのが、防水性能。
残念ながら、GC7に防水機能は……ない!
ということで今まで通り風呂ではOasisを使うことにしたので(自己責任で)、結局MicroUSB充電からは脱却できてない。悲しい。
- 容量に困ることはまずない
Kindle系は容量が16GBとか32GBとか、PCの揮発性メモリ程度の容量しかないのですが、GC7はAndroidタブレットなので充実の64GB。MicroSDカードで増設も可能なので、Rudraは512GBのMicroSDを入れてます。
- 設定が一元管理される「設定アプリ」がない
所謂「設定」アプリがない!!!!!
一応ホーム画面の右端にあるページが設定画面なんでしょうけど、Androidに慣れてる人ほど使いにくい。らくらくホンかな?普通のAndroidの「設定」アプリ自体も乗せておいてほしかったな……
Adbコマンドでpm list packages して中身ちょっと覗こうと思ったんですが、GC7における開発者オプションの入り方がわからず右往左往しました。
コレに関しては、デフォルト以外になにかランチャー(ホームアプリ)を入れることで解決できました。
ランチャーを入れるとデフォルトで非表示にされているアプリもアクセスできるようになるので、「設定」を開いてこういう感じのこともできます。
はい。
あっ…ふーん……。
という感じでBOOX GoColor 7のレビューでした。
現状はめちゃくちゃ満足しています。
自炊本データやKindleの本をあわせて、全部で3000冊くらいのデータがこのペラペラのE Inkタブレットに入ると思うとロマンが止まらないよね。とりあえず青空文庫入れるだけでもめちゃくちゃ時間潰せますし。アカシックレコードかな?感がすごい。
飽きたらClaudeとかGeminiとかChatGPT入れて、自分の好きな要素だけ入れた小説を書いてもらえばいいと思います。
Rudraの8GBのKindle Oasisだと容量不足だったり、そも自炊系を入れるのが面倒だったりしたので、こういう全能感はなかったんですよね。まぁ、要求が高すぎたんでしょう。
今回は安心安全のBOOXを選びましたが、Oasisオマージュのページ送りボタンが付いたE Inkタブレット、探せば他メーカーにもめちゃくちゃあるんですよね。あー気になるなー。
Rudraはようやくしずみはじめたばかりだからな、この果てしなく深いE Ink沼によ……
Rudraの次回作にご期待ください!
じゃんぱらでのKindleシリーズの買取案内も置いておきます。
Kindle売ってBOOX、買おう!
Kindle Oasisの買取
Kindle Paperwhiteの買取
Kindleの買取
Kindle Scribeの買取
Kindle Voyageの買取(持ってる人おる?)