4月に入り、日毎に暖かくなってくる今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。
お久しぶりです、elmarです。

春といえばこちら!
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サクラですよね~!
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うーん、春ですね~。
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前回のLogicsさんの記事にも桜の写真がありましたが、カメラ担当としてはそれなりの写真を撮らなければならない
プレッシャーがズシンとのしかかって参ります。
ま、それでも、そこはそれ、生来の能天気さで「なんとかなるんじゃね」で行ってみました!
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・・・やっぱ、モノクロいいなー。

さて、前置きはこれくらいにして、今回のテーマは「フィルター」です。
フィルターは各カメラメーカー、フィルターメーカーから多数の製品が販売されています。
一般的にフィルターといえば、スカイライトやUVまたはプロテクトフィルターなどをレンズ保護用に装着する事が多いです。
フィルム時代、特にポジ(スライド)フィルムを使用する場合はプリント時の補正が難しかったため、色温度調整用のカラーフィルターや光量調節用のNDフィ ルターは必須アイテムでしたがデジタル時代になり、色や光量の加工などが手軽に出来るようになった事により、フィルターの効能は若干減ってきているように 思えます。

現在でも風景、建築物などの撮影に有効な撮影テクニックの一つに偏光フィルターの使用があります。
偏光フィルターはPLフィルターと呼ばれ、野球が強い・・・ではなくて、文字通り光の入ってくる方向性をコントロール(偏光)するフィルターです。
乱暴にいえば自然界の光線は様々な乱反射がありますが、これを整列させて通すようなものです。
詳しくは例によってグーグル先生に聞いてみて下さいね。
釣りをする方は水面の反射を抑える「偏光グラス」をご存知だと思いますが、原理は同じです。パソコンやケイタイの液晶画面も偏光フィルターを使用しています。
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PL(偏光)フィルターは光の入ってくる方向をコントロールしますが、全ての角度で有効な訳ではありません。
太陽を背にした「順光」や太陽に正面から向かう「逆光」での撮影時には大きな効果は得られません。
最適な角度で撮影すると例えば、青空がより青く、草木の表面の反射が抑えられ、コントラストの向上が得られます。
また、水面やガラス面などの映り込みをコントロールする場合は反射面に対して30-40度の角度がもっとも効果が得られます。

注意ポイント
1.PLフィルターは2重構造になっているため、厚みがあります。特に広角レンズを使用する際にはフィルター枠が画面に写り込んでしまう「ケラレ」を生じる場合があります。この場合はフィルターメーカーでワイド対応の製品が販売されていますのでこちらを選択して下さい。
2.AFデジタル一眼レフで使用する場合は必ずサーキュラーPL(円偏光)フィルターを選択してください。価格は通常のPLより高くなりますが、AF、AEが使用できます。
4.レンズキットなどで付属しているレンズに多いのですが、ピント合わせの際にレンズ先端が回転するものでは使いづらい。インナーフォーカスのレンズがオススメです。
3.露出が1-2段、暗くなります。シャッタースピードが遅くなりますので、手ぶれ、被写体ぶれには十分、注意します。
4.一般的なプロテクトフィルターの2-3倍の価格となります。フィルター径が大きくなるほど高価になります。
5.フィルターを構成する物質は色素ですから退色します。5-6年を目安に取り替えが望ましいです。
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実際の使用ですがレンズに装着し枠を回転させて、ファインダー内で効果を確認して撮影します。
フィルター外枠には△マークが印刷されていて、これを回転させて最適な位置を選びます。
一眼レフでの使用時にはファインダー内で確認しますのであまり指標にはこだわらなくても問題ないかと思います。
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今回はPENTAX *istDLにPENTAX FA50mmF1.4を主に使用して撮影しています。

それではいくつか実例をご覧下さい。
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上の写真は効果が少ない角度、下の写真は効果最大の状態で撮影しました。
空の色の印象がかなり違います。
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上の写真は効果が少ない角度、下の写真は効果最大の状態で撮影しました。
水面の反射にご注目ください。空の映り込みがかなり違いますね。
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上の写真は効果が少ない角度、下の写真は効果最大の状態で撮影しました。
建物のガラスの反射の変化を試してみました。これも印象がかなり変わります。
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上の写真は効果が少ない角度、下の写真は効果最大の状態で撮影しました。
ツヤのある葉っぱを撮影してみました。テカリ具合がだいぶ違います。雨上がりなんかだとより効果的なんですが。

ごく一部ですがPLフィルターの効果を簡単に説明させていただきました。

補足点

・風景写真などでは非常に有効な手法なのですが、絵はがき的な作品になりがちなので、多用は避ける。
・PLを使用すると光量が落ちる事から日中のポートレート撮影などで絞りを開けて撮影したい場合などに応用する事も裏技として有効。
・複数のレンズをお持ちの場合は一番大きなフィルター径のものを用意しておいてステップアップリングを使って共有するとコスト削減できます。
・通常のガラス製のフィルターよりも材質が柔らかく傷つきやすいので取り扱いには注意が必要。

時々、じゃんぱらにも買い取りがありますので時々、ご覧になってみて下さい。
現在の在庫はこちらからご覧下さい。

次回はレンズによる「ボケ」の違いなどをご案内してみたいと思います。
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以上、elmarがお送りしました。