「4月じゃないのか!」と突っ込んだあなた!
あの時のセントラルパークをもう一度思い出してみましょう。
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あ、この鳥は「コンドル」ではなく「コサギ」です。

 待ちに待ったゴールデンウィークも終わり、一息つかれている頃でしょうか。お久しぶりです、elmarです。
連休は皆さん、ご旅行に行かれましたか。カメラを持って行かれた方はきっと、たくさんの思い出を残された事でしょう。
特にご家族との写真は是非、プリントアウトして飾ってみて下さいね。

さて、表題の「6月」といえば「ジューンブライド」、結婚式シーズンですね。皆さんの周りにもご結婚される方がいらっしゃると思います。
ぜひデジタル一眼でキレイに残したいものです。
ほとんどの式や披露宴は屋内で行われますから、ストロボ/フラッシュが必要になります。一部のフラッグシップ機を除いて、デジタルカメラはストロボを内蔵しています。簡単に「記録」を残すだけなら、これで十分かもしれません。
しかし、やはり、美しく残すには外付けのストロボが欲しい所です。内蔵ストロボはサイズの制限からガイドナンバーの小さいものしか搭載できません。
おおむね10から15くらいが一般的ですが外付けストロボにはガイドナンバー30や50といった大光量のものが多数あります。

さて、再三出てくるこの「ガイドナンバー」って一体、なんでしょう。
ガイドナンバー(GuideNumber)(GN)とはストロボやフラッシュの光量の大きさを表します。

ISO感度100において1mの距離での明るさの数字です。

この数字を絞り値で割ると撮影距離(単位:メートル)が分かります。撮影距離(単位:F値)で割ると絞り値が導きだせます。
例えばGN30のストロボを使用した場合、絞りを「F4」に設定すると
30÷4=7.5
となり、「7.5m」が適正露出になる距離です。
反対に3m先の被写体を適正露出にしたい場合は
30÷3=10
ですから絞りを「F10」に設定します。

ISO感度が400になればGNも30から60になります。ISO感度は√で換算しますからISO200は1.4倍になりGNは42になります。
ただし、これはマニュアルでフル発光させた場合での原則で、現行のストロボはほとんどTTL調光ですから、ほぼカメラまかせで問題ありません。
各社の技術が詰まっていますので、お使いのカメラに適合するストロボ/フラッシュを選んで下さい。
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上記の表はCanon 540EZのものです。1/1がフル発光になっています。
小型の内蔵ストロボでもISO感度をあげれば結果は同じと簡単に考えないでください。感度をあげればノイズが増えます。そして、何より内蔵ストロボは正面しか照射できません。大光量のストロボを使用すれば天井や壁に照射してその反射でライティングをする「バウンス撮影」というテクニックが使えます。
たとえば、結婚式場(披露宴会場)で撮影する場合を考えてみてください。
「カメラをお持ちの方は前の方にどうぞ!」で皆さん一斉に撮影されますよね。ケータイやコンパクトデジカメで撮影している人が大多数でしょうが、大光量ストロボとデジタル一眼の組み合わせでバウンス撮影をすれば仕上がりに差をつける事ができます。

簡単に実験してみましょう。残念ながら花嫁のモデルは用意できなかったので、我が家の「ひかりもの」でご容赦ください。
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撮影データ:Canon EOS 30D EF 20-35mmF3.5-4.5 ISO200 絞り優先AE F11 内蔵ストロボ使用
まずはカメラ内蔵のストロボで撮影してみました。意外にも普通に撮れてます(汗)。キヤノンさんやるじゃない!
しかし、正面一灯の弊害でクロームの反射が少々どぎつい印象のうえレンズ下の陰もくっきり出ちゃってます。
ポートレートでいえばアゴの下に相当します。人物撮影では光を拡散させ柔かいライティングをすることがとても重要です。
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撮影データ:Canon EOS 30D EF 20-35mmF3.5-4.5 ISO200 マニュアル シャッター速度1/60  F22 Canon540EZ使用
外付けストロボを装着して撮影してみましたがちょっと露出オーバーです。これもキツい光線になって「証拠写真」的な印象です。

撮影データ:Canon EOS 30D EF 20-35mmF3.5-4.5 ISO200 マニュアル シャッター速度1/60  F8 Canon540EZ使用
このカットではストロボの発光部を上方90度に向けています。発光した光は天井に反射し拡散します。その結果全体に光が回り自然で柔らかな写真になります。

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撮影風景です。ちなみに540EZはEOS DIGITALではマニュアル発光しか使用できません。単体露出計で計測しながら撮影しています。

まとめ
バウンス撮影の良い点、悪い点。
良い点
・やわらかな光の演出ができる
・反射率の高いもの(金属、ガラス、ラメパウダーなど)でもキツくなりすぎない。

悪い点
・バウンスさせる場所までの距離と被写体までの距離があるので実質的にGNが落ちる。
・バウンスさせる場所の素材によっては色味がズレたり偏ったりします。

簡単にあげるとこれくらいでしょうか。対策としては以下の3つに注意します。
・被写体との直線距離を詰める(より近づく)
・バウンスさせる天井、壁の色、素材に気を配る
・可能な限り大光量ストロボを使用する

大光量ストロボを使用するかわりISO感度をあげる方法もありますがやはりノイズや諧調の問題が出てきますからISO400程度までがおすすめです。また、写真用品メーカーが販売しているアクセサリーを活用するのも良い方法です。
有名どころではルミクエストなどのキットは簡単に装着でき、拡散光と直接光をミックスできるので、報道現場などでよく見かけます。
このような製品に自分なりに工夫してオリジナリティを出す事も簡単です。トレーシングペーパー(トレペ)とアルミホイル、カラーフィルターなどを組み合わせ、色を強調したり配光特性を変えたりする事も楽しいです。
フィルムの時代とは違い、テスト撮影はすぐにできます。どんどん撮影して、自分好みのセッティングを探してみて下さいね。

そしてもし、結婚式や披露宴の撮影をされる場合は本番前にテスト撮影をされる事をおすすめします。事前に会場入りできない場合はメインとなる被写体(新郎 新婦)が歓談している間にメインイベント(ケーキ入刀など)が行われる場所で人物に見立てたものを撮影して、光量が十分足りているか確認して下さい。もし 少しでも光量不足を感じたら多少の画質劣化を覚悟してもISO感度をあげるか、バウンス撮影の合間に直接発光のカットも撮影しておきます。
皆様のご健闘をお祈り致します。

以上、elmarがお送りしました。

-追伸-
前回のPCケースの塗装はなんとか完了しました。

ボンネットの色と比べても違和感ありませんが、ちょっとムラになってしまってます・・・。下地処理もそれなりにやったのですが普通のプラモと違うのはやはり大きさ、つまり「サイズ」でした。おあとがよろしいようで・・・。