どうも色々こだわるelmar です。

今回は先頃、FiiOから発売されたUSB-DAC BTR7を購入して試していきます。

以前にもFiiOBTA30ProBTR3KさらにDAP M9も購入してレビューしてきました。

かと言ってFiiOからの提供なんかは一切ありませんので全て自腹購入です(汗

なぜ、そこまでUSB-DACを買うのか?

それは「手軽に良い音で聴きたい」からです。

elmar は普段、AirPodsProなどTWS(完全ワイヤレスステレオ)をiPhoneと接続して使っています。

音質も遮音性も良いのですがApple MusicやAmazonMusicなど配信サービスがハイレゾ化していますがiPhoneとAir Podsの組み合わせではBlutoothのコーデックがAACとなってしまいますのでApple Musicで配信されているAppleロスレスをそのまま再生できません。

なぜなら・・・

Appleサイトより引用

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https://support.apple.com/ja-jp/HT212183

AirPods、AirPods Pro、AirPods Max、AirPods (第 3 世代) でロスレスオーディオを聴くことはできますか?

AirPods、AirPods Pro、AirPods Max、AirPods (第 3 世代)、Beats ワイヤレスヘッドフォンは、優れたオーディオ品質を保証するため、Apple AAC Bluetooth コーデックを使っています。Bluetooth 接続はロスレスオーディオには対応していません。

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せっかく、ロスレスやハイレゾロスレスで配信されているのにそのまま聴けないのはなんかモヤモヤしてしまいます。
そこで外付けのUSB-DACの出番となるわけです。
以前、ご紹介したFiiOの【BTR3K】を愛用していました。
紹介記事はこちら
2022年8月にフラッグシップ機として【BTR7】が発売開始されました。
市場価格は34100円前後と比較的、高価ですが2022年9月現在は在庫切れになっているほど人気な状況です。
DACにはESS社のES9219Cをデュアルで搭載しているのもいいのですが最大の魅力は最新のアンプ回路である【THX-AAA−28】の搭載です。
この回路は歪みを抑えつつ高出力を得られるのが特徴でイヤホン、ヘッドホンの駆動に威力を発揮します。
【BTR7】はこの【THX-AAA28】をデュアルで搭載することにより従来モデルよりシングルエンドで約88%、バランス接続で約30%の出力向上を果たしています。
もちろん主要なコーデックはカバーしておりスマートフォンやDAPを変更した際にも高音質を実現できるのもいいですね。
駆動時間は公称約9時間とアナウンスされていますがQi規格のワイヤレス充電に対応しているので同規格搭載のモバイルバッテリーやチャージャーで手軽に充電が可能です。
それでは実機を見ていきましょう。
サイズはタテ83.6mm Xヨコ39.6mm と小さく68gと軽いので邪魔になりません。
出力は3.5mmシングルエンドと4.4mmバランス。
付属の専用ケースに入れるとこんな感じです。
動作状況が表示される画面がついているのが便利。
スマートフォンを接続するとコーデックとビットレートが表示されます。
詳細な設定はアプリ【FiiO Control】から行いますが本体画面と音量ボタンによりいくつかの本体での設定も可能です。
モバイルは勿論の事、車載での使用も想定されているのがいいですね。
これは後半に試します。
さてそれでは試聴してみましょう。
まずはiPhoneにBluetooth接続して使ってみます。
この組み合わせではACCでの接続となります
視聴に使用するヘッドホンはSONYのモニターヘッドホン【MDR-M1ST】です。
まずは3.5mmシングルエンド出力から試します。
ケーブルはモガミ2893を使用した【CableCraft 音光堂】の3.5mmステレオミニジャック(75cm)を使用。
【BTR7】の電源を入れてiPhoneとペアリング。
接続完了したら再生先を【BTR7】に設定します。
YES 
危機
ハイレゾロスレス
2022年9月に来日公演を迎えるYESの記念碑的アルバム。
LP両面で3曲というプログレッシブロックらしい作品。
アルバム制作当時、まさに空中分解の危機(Close to the Edge)にあったYESのメンバーの個性のぶつかり合いと調和が入り混じった名盤です。
冒頭の鳥の声など自然音からキーボードが重なり一気に走り出す様はいつ聴いてもスリリング。
音質は出力に余裕があるからか非常に奥行が感じられ好印象!
ワイヤレス接続で圧縮音源だと伸びやかさに欠けた感じが聴こえてしまうのが気になると言えば気になります。
以前使っていたBTR3Kや上位機種のBTR5などFiiOのBluetoothアンプ/レシーバーは2.5mmバランス端子を採用していましたが時代の趨勢か最近は4.4mmバランス端子を採用するメーカーが多数派となっており本製品も4.4mm端子になりました。
3.5mm接続を試した後に4.4mmバランス接続を試します。
ケーブルは高価なものではなくAmazonで3APLUSというメーカーの無酸素銅(OCC)を使用しているコチラを購入しました。
同じアルバムを冒頭から聴いてみると。。
一聴してして音場が拡がり鳥の声が増えたように聴こえます。
クリス・スクワイヤのベース音がより締まって響きビル・ブルーフォードのドラムがビシビシと駆け回るよう。
リズム隊の印象が良くなるのは全体の解像度が上がっている証拠でしょう。
この組み合わせはかなりいいです。

レーナード・スキナード

Simple Man

DolbyAtomos
1977年、人気絶頂の時に飛行路事故で主要メンバーが亡くなり解散(のちに再結成)した悲運のサザンロックバンド。
トリプルギターの迫力とブルースの泥臭さを合わせもったバンドです。
この曲は「誠実に生きなさい」と母に諭される内容の詩で人としての「幸せ」を探すことの大切さを歌った曲と解釈しています。
シンプルなリフをギターが刻みながら展開するこの曲は荒野を長距離移動中に流れてきそうな切なさが溢れています。
Apple MusicではDolbyAtomosでの配信のようですが環境依存かもしれません。
ギターの分離が良く各パートがリズムを刻む、泣きのリフを入れるなど泥臭いけどカラフルな演奏が聴き分けられます。
God Only Knows
The Beach Boys
名盤「PetSounds」より。
ビーチボーイズといえばサーフミュージックという印象ですが多重録音や多彩な楽器を用いた本作も有名。
ハイレゾで配信されている音源は各楽器の見晴らしがよくオリジナルのレコードやCDにあった音のカタマリ感を継承しつつエコーの効き具合などエフェクトの詳細まで聴こえてくるようです。
バランス接続すると各楽器の分離がさらに聴き分けやすくなりますが熱気は失われず楽しめます。
ここまではワイヤレス接続を試してきましたがUSB-DACとしての機能をフルに活かすのならやはり有線での接続も試したいところ。
iPhoneと接続するにはLightning<>USB-CのOTGケーブルが必要になります。
これが汎用品ではなかなか見つかりません。
そこで以前の記事でご紹介したFiiOのLT-LT1などを使うとiPhoneから直接ハイレゾ信号を取り出せます。
このケーブルはバージョンアップしたLT-LT3が発売されていましたので早速、購入しました。
iPhoneに接続する場合は専用アプリ【FiiO Controll】をインストール後、ペアリングしておきます。
ペアリング後に赤枠で囲んだワイヤード(有線)接続のオプションをONにしておけば接続した際にワイヤレスから自動で切り替わります。
ワイヤード接続の場合、ボデイサイドの「CHARGE」スイッチでプレーヤー/スマートフォン側から給電するか否かが選択できます。
スマートフォン側のバッテリー消耗を防ぐ効果もありますのでこれは便利なポイント。
ここからはAmason Musicを使って再生していきます。
なぜなら画面で再生経路のビットレートが表示できるからです。
Apple Musicでは元ファイルのビットレートしか表示されないため視認しにくいといった事情があります。
エマーソン、レイク&パーマー
Tarkus
24bit/96kHz
UltraHDでダウンロードした楽曲[ULTRA HD]のアイコンをタップすることにより楽曲の品質を各デバイスごとに表示できます。
このため、現在、どれくらいのビットレートで再生できているかがわかりやすいのです。
冒頭の何かが雄叫びを上げながら進撃してくるようなキーボード演奏が凄まじい。
キーボード、ドラム、ベース&ヴォーカルと3名でこの重厚感をライブでも演奏していたのは驚きです。どこぞのチャラチャラしたスリーピースバンドが裸足で逃げだすでしょうね。
メモリーズ・オブ・グリーン
ヴァンゲリス
映画『ブレードランナー』でも劇中で使用されていたインストルメンタル曲。
まだサンプラーなどなかった時代ですが当時のシンセサイザーと録音機を駆使した多重録音により世界観を作り上げています。
聴きどころはピアノとビデオゲームのSEの背景で左右にうねるように響くシンセサイザーの浮遊感です。
このアルバム「See You Later」は日本ではなぜか「流氷原」というタイトルで発売されていてその昔、カセットテープを所有していた記憶があります。
1980年代の作品なのでノイズはかなりあるのですがそれを感じさせない音場感が楽しめます。
Take Me Home Country Roads
オリビア・ニュートン・ジョン
HD
現代の日本では「コンクリート・ロード・・・」と歌詞を付けたアニメ映画が有名ですがオリジナルはカントリー歌手のジョン・デンバーによる1971年のヒット曲。
オリビア版は冒頭にゴスペル調のコーラスが入るのですがワイヤード接続で聴くとコーラス隊一人一人の歌声が美しく調和しているのがよくわかります。
どこまでも澄んだオリビアの歌声が流れてくる頃には誰しも郷愁を掻き立てられるのではないでしょうか。
先日の訃報を信じられない思いで聞き、改めて彼女のヴォーカルを聴いてみるといかに素晴らしい歌声であったかを思い知らされます。
ここまではモバイルでの使用を前提に書いてきました。
本機はQi充電に対応していますのでケーブル接続しなくても環境さえ用意してあげれば車でも利用できます。

最近の車ではビルトインされているものが多いのですがelmarの車にはありません(泣

そこで画像のようなQi充電器を用意して音声出力はアナログ接続で試します。

これには狙いがあってUSBで車と接続するとカーオーディオのビットレートでの再生となるためフルに実力が発揮できないのでないかと考えられます。

AUX接続の設定をします。

もっとも、アナログ入力してもカーオーディオ内部でAD変換されてしまうのは覚悟の上です。

スマートフォンとワイヤード接続すれば最大限のアナログ出力ができますから内部変換されても結果は少しは良くなるはず。

ノラ・ジョーンズ

サンライズ

24bit/96kHz

この曲のヴォーカルは「生成り」といった感じで「素」の声の暖かさが伝わってきてマイフェイバリットでもあります。

車での再生でも自然さは伝わってきて【THX-AAA28】の実力の片鱗が垣間見えます。

これを聴いてしまうともうBluetooth接続に戻れないかも。

ワルキューレの騎行/ワーグナー

ハンス・クナッパーツブッシュ指揮ウィーンフィルハーモニー管弦楽団

1950年代の録音で決して高音質ではありませんが演奏の迫力は鬼気迫るものがあり、やや潰れた低域が地響きを感じさせるようで、ついボリュームとアクセル開度が上がってしまいます。

スピードは控えめに。。。

まとめ

【BTR7】の音質は文句なく高い領域にあると言えるのではないでしょうか。
傾向としては音の輪郭をストレートに描写するように感じました。
圧倒的なノイズフロアの低さや暗闇に金粉を投じるような高級DAPのうっとりするような輝きではなくしっかりと磨き上げられた剣のようなイメージです。
組み合わせるヘッドホン、イヤホンによってはマッチングの追求も出来るような
懐の深い製品ではないかと思います。
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本機を車載にするならスピーカーも変えたくなってきているelmarがお送りしました。