寒さ厳しい季節。
イヤホンだと耳が冷たいのでヘッドホンの出番が多くなっているelmarです。
iPhoneやスマートフォンで音楽を聴くにはTWS(完全ワイヤレスイヤホン)をはじめとしたワイヤレス機が主流ですが音質面では有線接続が有利なのは自明。
しかしながらスマートフォンと有線接続してしまうと取り回しがいささか面倒。
そこでelmarは以前も紹介したFiiO製のBluetoothレシーバー 【BTR7】を使用していました。
紹介ページはこちら
今回、FiiOから新製品として更に高音質に生まれ変わった【BTR17】が発売されたので購入してみました。
カラーバリエーションは2種類で、elmarはブルーを選択しました。
パッケージはこんな感じ
BTR17本体です。
ダイヤルやボタンが増えた事により、ポータブルオーディオプレーヤーのような佇まいになりました。
付属するUSB-Cケーブルは8芯の高音質を予感させるタイプ。
ボリュームダイヤルがついたのが大きな特徴の一つ。
後述しますがスマートフォン等との有線接続時はこのボリュームで音量をコントロールしますので操作感は重要です。
ボリュームダイヤルの中央にファンクションボタンがあります。
このボタンは再生の一時停止や曲送りに使用できます。
外観はBTR7と比較して一回り大きくなった感じ。
側面にスイッチが追加ています。
動作モードの選択がスイッチで切り替えできるようになっています。
ボディ底面にはUSB-C端子が2つあります。
一方は機器接続用で内部が赤くなっている端子が電源供給用です。
出力は4.4mmバランスと3.5mmステレオ(アンバランス)の2系統あります。
専用レザーケースが付属しますがこのカラーもボディーに合わせてブルーです。
ケースに収納したところ。
ストラップ取付用アイレットがありストラップなどをつけて持ち歩く事ができます。
ベルトクリップも用意されていてスタイルに合わせて持ち運べます。
それでは性能面をみていきましょう。
本機のDAC(DAコンバーター)はESS製【ES9069Q】をデュアル搭載。
ヘッドホンを駆動するアンプ部は【THX AAA 78+】を左右独立搭載で最大650mWの高出力が可能です。※電源供給及びバランス接続時
Bluetooth5.4 のQualcom 「QCC5181」により最新のロスレス転送にも幅広く対応しています。
各コーデック対応ビットレート
- aptX Lossless:1200 kbps
- LDAC:990 kbps
- aptX HD:576 kbps
- aptX Adaptive:420 kbps
- AAC:328 kbps
同梱のUSB-CケーブルなどでスマートフォンやPCと接続すれば768kHz/32bit、DSD512のハードウェアデコード可能となっていますのでハイレゾ配信サイトからの高音質ファイルも余裕を持って対応。
もちろんMQAにもフル対応しておりスペック的には死角なしと言ったところ。
BTR7から進化したところはもう一つあって電源ON、OFFに際して「Power ON」「Power OFF」のアナウンスが流れます。
ポケットにやバッグに入れてあっても手探りで音量調整ができる点はBTR7から進化した点です。
何はともあれ早速、聴いてみましょう。
FiiO製のワイヤードイヤホンをBTR17に接続して通勤時に高音質で聴きたい状態をシミュレートしてみます。
iPhone 14 Pro +BTR7(Bluetooth)+JH5(4.4mmバランス)
iPhoneとの接続はBluetoothで行うのでコーデックは必然的にAACとなります。
ノラ・ジョーンズ/don’t know why 24bit 96kHz Apple Music
BTR7を数年使ってきていますので比較すると音の粒だちがより細かく聴こえてくるイメージ。
イントロのギターの鳴りがよりリアルに響きヴォーカルの輝きも増しているようです。
iPhone 14 Pro +BTR17(Lightning-USB-C)+JH5
FiiO製の専用ケーブルでBTR17と有線接続して聴いてみます。
ボディサイドの切り替えスイッチをBTからPhoneへ変更。
ボリュームはBTR17本体で調整することになります。
ビットレートは24bit/96kHzでの再生が可能。
この接続においては更に解像度を増して各楽器の定位が見えてきます。
どちらかと言えばザラっとした質感だったヴォーカルに潤いが増して細やかさが描き出されるよう。
やはり有線接続はいいですね。
ここでイヤホンをヘッドホンに差し替えます
SONY MDR-M1ST インピーダンス:24Ω 能率:103dB
更にスケール感が広がり、スタジオが広くなったような印象を受けます。
ドラムのブラシワークが埋もれずに明確に聴き取れます。
本機のアンプ部はこのヘッドホンの能率ならば十分に音量が確保できます。
それでは能率の低い平面駆動型ヘッドホンはどうでしょう。
Fostex RPKIT50 インピーダンス:50Ω 能率:89−92dB
以前、紹介した自分で組み立てるヘッドホンです。
密閉型仕様にしていますので能率は下限あたりではないかと推察します。
専用アプリ「FiiO Controll」の設定で出力ゲインを「High」にしておけば充分な音量が得られます。
RPシリーズは平面駆動ですから一般的なドライバーと構造が異なり独特な鳴り方をします。
聴感上で最も感じるのは歪み感の少なさと中音域の自然さと思います。
ピアノのタッチのボールが転がるような丸さはこのヘッドホンならではの表現にも思えます。
低音域のうねりや押し出しはやや控えめですがリラックスして聴くには最適かも。
CSN&Y /OUR HOUSE 24bit 96kHz
グラハム・ナッシュが当時の恋人であったジョニ・ミッチェルとの日常の一コマを綴ったと言われる瑞々しい歌詞が印象的な曲。
最強と言っても良いシンガー達によるコーラスが重層的に重なっていくのも聴きどころ。
AirPods Pro 第2世代のヒアリング補助機能CMでも印象的に使われていた曲なのでお聴きになった方も多いのではないかと思います。
Apple Music、Amazon Musicともに24bit 192kHzでハイレゾ配信されているのですがAirPodsProではここまでの再現はできないことから有線接続によるメリットは確実にあります。
White Snake/Here I Go Again ’87 24bit 96kHz
元ディープパープルのデヴィッド・カヴァーデールのバンドWhiteSnakeによるMTV世代のHR/HMの一つの到達点と言ってもいいでしょう。
先ごろ逝去されたギターのジョン・サイクスを始めとする当時のメンバーはレコーディングに多大な貢献をしながらアルバムリリース直前に解雇されるなど複雑な事情はありましたが面で押してくるサウンドと言ったらよいのか勢いを感じます。
ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲:Variation18
アンドレ・プレヴィン指揮 ロンドン
交響楽団
映画『ある日どこかで』において印象的に使われていました。
この映画を観たことのある方なら聴いているだけで涙腺が緩んできてしまうかも知れません。
1972年の録音ですがウラディーミル・アシュケナージのピアノの響きが美しくやや高いノイズフロアも気になりません。
ハイレゾ配信されているわけではありませんがBTR17を通すことによりアップサンプリングされきめ細やかな音質で楽しむことができます。
BTR17は前モデルから正統進化し、さらなる高音質を手にしました。
手持ちのiPhoneやスマートフォンのハイレゾ化には強力な相棒となる事でしょう。
iPhoneでハイレゾ音源を楽しむにはBTR17などDACを接続して再生することが必要ですがAndroidスマートフォンの中には高音質のコーデックに対応した機種があります。
elmarも最近、中古で入手しました。
SONY Xperia 10 IV
コーデックは以下のように幅広く対応しています。
aptX
aptX HD
aptX Adaptive
SBC
AAC
LDAC
特にLDACはSONYが開発したコーデックでBTR17も対応しており高音質で再生が可能です。
elmarはSIMを入れずにAmazon Musicをダウンロードしてオーディオプレーヤーとして運用しています。
一度、バランス接続に慣れてしまうと3.5mmステレオだけでは満足できなくなるのでBTR17と一緒に持ち歩きます。
クルマで出かける際にも車両側が対応していればAAC以上の高音質での接続も可能なのでCarPlayを使わなければ非常に有効です。
じゃんぱらではヘッドホン、ヘッドホンアンプの買取も行っています。
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もちろん、お手頃な価格で販売も行っています。
それでは今後ともじゃんぱらをよろしくお願いします。
以上、elmarがお送りしました。