だんだんと涼しくなり、過ごしやすくなってきました。
秋の彩りがあちこちで見かけられる季節ですね。
おひさしぶりです、elmarです。
今回はマウントアダプターについてのお話です。
レンズ交換式カメラは長らく一眼レフが主役でした。
フィルム自体から続くマウントを継承し、レンズ資産を活かす事もできるため
フィルム一眼からデジタル一眼への移行には適していたのでしょう。
専用のマウント、設計によるミラーレス機が発売されたとき大きく時代が動き出したように思います。
一眼レフはレンズを通ってきた光を反射させてファインダーに導くためミラーを設置しています。
シャッターを切るとこのミラーが跳ね上がり、シャッターが走り露光されます。
このミラーを設置するスペースがあるためボディの奥行きが深くなりレンズの設計にも少なからず影響を及ぼしてきました。
ミラーレス機はこのミラーとファインダーを無くし撮像素子で直接、画像を取り込む機構になっています。
記念すべきミラーレス機第一号は「OLYMPUS E-P1」で2009年の発売でした。
当ブログでも事あるごとに登場させました。
ミラーレス機はミラーが無いため撮像素子とレンズマウント面の距離が近く一眼レフ登場以前のレンズやライカMなどのレンジファインダーカメラ用レンズをマウントアダプターを介して装着する事が可能でいわゆる「オールドレンズ」が人気になりました。
古い世代のレンズは機種によっては独特な描写をするため現代の一眼レフ用レンズの非の打ち所のない描写とは異なり(滲みがあったり変わったボケ方をする)ため他と違う写真を撮りたい方に支持されています。
ネットで描写を見たりすると同じようなレンズを探して集めたりしてしまう人も多くいます。
レンズ沼にハマるって事ですね。
Nikonからフルサイズミラーレス機【Z 7】、【Z 6】が発表され遂に一眼レフを主力としてきたメーカーもミラーレス市場に本格参入してきました。
ライバルのCanon【EOS R】さらにはPanasonic,SIGMA,Leica3社協業による【Lマウントアライアンス】のカメラ、レンズの開発が発表されるなどフルサイズミラーレス市場が活気を帯びてきました。
前置きが長くなりましたが今回紹介するアイテムはこちら【SIGMA マウントコンバーター MC-11(EF-E)】です。
SIGMA 70mm F2.8 DG Macro | Art (Canon EF)
一般的なマウントアダプターはボディとレンズを繋ぐだけで電子的、機械的連動はしないものがほとんどですがこのアダプタはSIGMA製Canon EFマウントレンズまたはSIGMA SAマウントレンズ用があり、それぞれSONY EマウントのボディでAF(オートフォーカス)、露出の連動を使用可能にするものです。
SIGMA製Canon EOS用EFマウントレンズを複数所有している場合はこのアダプタがあればSONYのミラーレス機でAFを使用する事ができます。
※一部制限あり。対応はこちらをご覧ください。
じゃんぱらでの在庫はこちらから
電子マウント連動式のマウントアダプタは他社からもいくつか発売されていましたが対応レンズが少なかったり動作が遅かったりする事もありました。
【SIGMA MC-11】(EF-F)は自社製レンズの使用を前提とする事により高精度なAFが可能になっています。
ちなみにCanon純正EFレンズはこのマウントアダプタでは動作保証対象外です。
残念ですね・・・。
で、終わらないせていけない!
当ブログは実験やチャレンジを恐れないフロンティアスピリットをもっている(つもり)
【SGMA MC-11】(EF-F)を購入してから手持ちのレンズで試してみました。
1.EF100mm F2.8 マクロ USM
■SONY α7R(ILCE-7R)ではレンズ駆動はするがAFは機能しない。MF、絞りは機能するので運用は可能。
■SONY α7RII(ILCE-7RM2)ではAFも動作。かなりドタバタした動きをするので細かいピント合わせはMF推奨でしょうか。
2.EF 20-35mm F3.5-4.5 USM
■SONY α7R(ILCE-7R)一応、一通りの動作はする。ピントに迷う事もあるが広角レンズのため通常使用は問題ないか。
■SONY α7RII(ILCE-7RM2)ではAFも動作。ちょっとAFがぎこちない気もしますが一般的な使用では問題なさそうです。
3.EF 50mm f1.8 II
■SONY α7R(ILCE-7R)全く動作しない。古いレンズなのでこれは覚悟してました。
■SONY α7R(ILCE-7R)一応、一通りの動作はする。ピント動作がカクカクしているようですが撮影に支障なし。
4.EF 85mm F1.8 USM
■問題なく動作しています。(α7II使いの GAhack氏より情報提供いただきました)
SIGMAレンズ用のマウントアダプターなのでCanon純正レンズは動かないことも多いみたいですね。
α7第二世代以降のボディ側のAF機能改善による恩恵は確実にありますので初代α7シリーズのお使いの方は乗り換えもご検討ください。
じゃんぱらでのα7シリーズ第二世代の在庫はこちらからご覧いただけます。
SIGMA純正レンズも試してみたい!という事で2018年5月の発売時に購入していたこのレンズの出番です。
【SIGMA 70mm F2.8 DG MACRO Art キャノンEF用】
「カミソリマクロ」との異名をとった【SIGMA 70mm F2.8 EX DG MACRO】をSIGMAの誇る高画質レンズArtシリーズへリニューアルしたレンズです。
マクロレンズは高解像度で正確な描写が最重要視されますからボケ方が硬くなる場合があると昔は言われていました。
このレンズは「圧倒的な解像感と抜け感」を目指して設計されたそうです。
結果的にボケ味もよくなっているように感じます。
マクロレンズは純正レンズはもとよりレンズメーカーでもタムロンの90mmマクロはその高い性能と美しいボケ味で人気があり、elmarもフィルム時代によく使っていました。SIGMAの70mmマクロはそのライバルとも言えるのかも知れません。
それでは
見せてもらおうか。現代のカミソリマクロの実力とやらを。
elmarは【SONY α7R 】【SONY α7RII】と【Canon EOS 5D】を所有しているのでEFマウント用を選びました。
SONY Eマウント用もラインナップに追加されていますのでSONYユーザーはそちらを選ぶと良いでしょう。
いくつか撮影した画像をご覧ください。
【使用カメラ】 SONY α7R 【レンズ】SIGMA 70mm DG Macro |Art
ここからSONY α7RIIへとカメラを変更しています。
ボディ側のAF性能が上がり手ぶれ補正機能が追加されていますので格段に使いやすくなります。
特にマクロ領域では手ぶれ以外に被写体ぶれも目立ってしまいますので三脚や一脚を積極的に利用するかISO感度を上げ、なるべくシャッター速度を速くして様々なぶれを防ぎましょう。
【使用カメラ】 SONY α7RII 【レンズ】SIGMA 70mm DG Macro |Art
特に説明はいらないかなってくらいよく写ります。
トンボの複眼の精細さをきっちり再現できていますし水滴などの描写が艶っぽくなるのも魅力ではないでしょうか。
ちなみにこのレンズはこの画像のようにマクロ域になる程レンズ先端が前進します。
カメラメーカー純正のマクロレンズは現在では殆どが主にAF速度向上のためかインナーフォーカスに切り替わっていますが本レンズは繰り出し式です。
これは画質最優先の設計思想によるもの。
国内生産で高性能なものを造るSIGMAさんの姿勢そのままのようです。
SIGMAさんのレンズ、特にArtシリーズは価格はちょと高く感じるかも知れませんが光学的にも機構的にもこだわって造られていますのでじゃんぱらでの在庫もぜひチェックしてみてください。
SIGMA Artレンズシリーズはこちら
【MC-11】(EF-E)はCanonEFマウントからSONY Eマウントへの変換アダプタですが造りがよく内面反射を抑制する構図になっています。
Eマウント用のマウントアダプタは様々なメーカーから発売されていて価格も2000~3000円程度からあります。
製品によっては内面反射への対策が不十分なものも存在しています。
例えばこちらのマウントアダプターは、ほぼ「筒」状態です。
対して【SIGMA MC-11】(EF-E)はフルサイズの画角ギリギリまで内面反射防止の植毛、塗装、溝切りなど様々な加工が施されています。
特に一眼レフ用のレンズをSONY EマウントやFujifilm Xマウントに変換するものはフランジバックの差が大きいため長さもあり逆光での撮影の場合にコントラストが低くなったりフレア、ゴーストが出やすくなります。
「古いレンズだからな」と納得してしまうのはちょっともったいないです。
例えばライカRマウントをCanon EFマウントに変換するアダプタは数ミリの長さなので内面反射は少なくなります。
廉価なSONY Eマウントアダプターを使うよりCanon EF用マウントアダプターを取り付けたレンズを【MC-11】経由でα7RIIに装着した方が結果が良いのではないかと考えてみました。
Leitz Canada Summicron-R 90mm F2にライカR<>Canon EFマウントアダプターを装着
上の組み合わせに【SIGMA MC-11】を装着したところです。
カメラに装着するとこんな感じになります。
まずは一般的なマウントアダプターを使用して撮影してみましょう。
画面に入らないところの街灯がマウントアダプター内で乱反射を起こしていると思われます。
それではライカR<>EFマウントアダプターと【SIGMA MC-11】(EF-E)で同じ場所から撮影してみしょう。
やっぱりキチンと造ると結果はついてきますね。
EOS 5Dで以前使っていたマウントアダプターを【SIGMA MC-11】(EF-E)経由で利用ができます。
こちらは手持ちの中判フィルムカメラのHasselbladで使用しているレンズ【CarlZeiss Distagon C 50mm F4】
本来はこのようにEOS ボディーで使用します。
このマウントアダプターと【MC-11】(EF-E)を組み合わせてみます。
中判向けレンズなのでマウント口径が大きく、これをEマウント直結だと相当、内面反射対策が必要でしょう。
夕闇迫る中の撮影ですがゴーストやフレアもなくスッキリと撮影できました。
このようにCanon EOS シリーズでマウントアダプターを利用していてSONY Eに乗り換える、または併用される場合は【SIGMA MC-11】(EF-E)もご検討してみてください。
斜光、逆光の時には役に立つでしょう。
コストはそれなりですが信頼して使えるという点では撮影現場では何ものにも代え難いです。
レンズ沼関連の話はとてつもなく長くなりそうですのでこの辺で失礼いたします。
以上、elmarがお送りしました。