梅雨の季節も暑さが打ち勝ち、夏へ突入している今日この頃。
みなさんお元気ですか
elmar です。
某懐かしのCM風のご挨拶をさせていただきました。
今回は
スマホのカメラは一眼カメラを越えるのか?
をテーマにしたいと思います。
先日、Sonyグループのコメントで
近い将来、スマートフォンの画質は一眼カメラを凌ぐようになる。
カメラ好きとしてはこの「挑戦」を受けて立たねばなりますまい!
センサー技術と演算処理が進めば高感度特性や解像度など今まで一眼カメラが有利とされてきた分野でもスマートフォンが躍進するって事ですよね。
今まで当ブログでもiPhoneやAndroidのカメラでいろんな撮影ができる事を紹介してきました。
最近ではXiaomiのエントリー機Redmi Note 11を試しました。
この時の記事はこちら
確かに超ワイドから撮影ができるうえ、安価であることは非常にありがたい事です。
iPhoneのポートレートモードは(ある程度)自然に背景をぼかす事ができます。
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絞り効果も後処理できて便利に使えます。
しかしながらこのモードは複数または単一の画像による合成である事も事実としてあるのです。
技術的に素晴らしいもので撮影と演算をストレスなく記録できることは実はすごい技術です。
し か し !!
これはレンズ固有のボケ方や絞り効果と異なり画一的で没個性的である。
と敢えて断言します。
標準ズームレンズキットでの撮影もこれに近いものがあります。
やはり一眼カメラの利点は「レンズ交換ができる」事で視点の拡張ができる事でしょう。
魚眼レンズや超広角レンズで広い範囲で写す事もマクロレンズで小さな生命を観察する事も、望遠レンズで遥か遠くを見通す事もできます。
スマートフォンに搭載されるセンサーサイズが一眼カメラより小さいためF1.8クラスの明るいレンズであっても大きくなりません。
iPhone4などでは4枚構成だったレンズもiPhone12からは7枚構成となっています。
iPhone8以降は非球面レンズが表裏ともに使われているようで実は光学的には高度な技術が使われています。
レンズ付きフィルム「写るんです」で一枚のレンズとフィルム面を湾曲させて画質を維持していた事を思い出させます。
iPhoneを例にとるとセンサーサイズは1/2.5インチ(5.7×4.3 mm)が主流ですがiPhone13に搭載された1/1.65(7.5×5.6 mm)インチが現状では最もおおきなセンサーとなっています。
一般的なレンズ交換式カメラ用センサーはマイクロフォーサーズの4/3型からAPS-C(23.4mm×16.7mm)、フルサイズ(24x36mm)です。
これより大きな中判カメラ用の33x44mmなどもありますがひとまず除外します
端的に言えばセンサーサイズが大きいほど高感度特性が向上し階調も良く高画質になります。
最近では1インチセンサーを搭載したスマートフォンも増えてきました。
Xperia Pro(XQ-AQ52)
AQUOS R6
LEITZ PHONE
これらの機種は高画質はもちろんの事、各々特色があります。
Xperia Proは同社の一眼カメラ並みのAFの速さ、連写速度の高さを誇り、AQUOS R6/LEITZ PHONEはLeicaレンズと専用画像エンジンによる描写の良さが特長です。
LEITTZ PHONEについては依然、Gahackさんがレビューをしてくれていますので興味のある方はご覧ください。
話を戻して一眼カメラはレンズ交換できる事が最大のメリットです。
たとえば望遠レンズを装着すれば遠くのものを引き寄せる事ができます。
今回は実用的な望遠レンズをチョイスしています。
Ai Nikkor 200mm F4
マニュアルフォーカス時代の代表的な望遠レンズです。
スマートフォンのズーム機能もありますが光学ズーム+電子ズームになっている場合が多く実際に撮影するとちょっと画像が荒れてしまう事があります、
望遠レンズの特長として圧縮効果があります。
このように本来遠くにあって小さく見えるものが大きくなることによって遠近感が圧縮されたような効果が発生します。
同じシーンをiPhone XSの最大望遠で撮影しています。
圧縮効果もそれなりに発生しますが顕著ではありません。
圧縮効果は映画のセットで撮影したような現実離れした印象になる場合があります。
スマートフォンのカメラは明るいところと暗いところのバランスを的確に調整しています。
上のカットは気温35度を超える真昼過ぎに撮影しましたがiPhone XSで撮影したものは明暗差があまり感じられずNikon Z fcで撮影したものは「夏日」という感じで日差しが痛く感じられるのではないでしょうか。
東京の下町、根津の商店街を谷中方面から切り取ってみました。
スマートフォンでの撮影は事象を適切に切り取る記録には向いていますが写真のインパクトはやはり交換レンズを用いた一眼カメラが有利かもしれません。
Nikon Z fc 28mmレンズキットで比較してみましょう。
フルサイズ換算で42mm相当の準広角レンズでiPhoneの望遠側に近い画角です。
ロケ地は山梨県富士山麓の忍野八海。
Nikon Z fc NIKKOR Z 28mm F2.8 Special Edition湧水が作り出す美しい池が魅力的で底まで見通す事ができます。
エメラルドグリーンに近い色ですがやや濃いめの水の色が表現できています。
見た目より鮮やかなイメージに仕上がります。
南国の珊瑚礁が似合いそうな色合いですね。
やはりスマートフォンでの写真は鮮やかな色合いになる傾向にあるようです。
ここからは交換レンズならではの明るさF0.95のレンズを使ってみます。
APS-Cフォーマット用のマニュアルフォーカス用レンズです。
最短撮影距離25mm付近の描写は紙のように薄いピントで大口径レンズならでは。
同じタンポポをiPhone XSで撮ると背景はボケますが被写体を引き立たせるほどにはボケません。
ポートレートモードを使用する場合は効果を得るためにある程度、被写体との距離が必要です。
大口径を生かして夜の渋谷を撮影してみます。
ISO感度を12800まで上げる事により夜間でも深い被写界深度を狙えます。
大型センサーならノイズも少なく画質も安定しています。
クリックして拡大するとわかりますが細部はやや潰れています。
最新のiPhoneならセンサーサイズが大きく、もう少し解像しそうです。
シャッター速度を1.6秒の長時間露光にして歩行者を消しています。
こういった撮影は数年前なら一眼カメラやコンパクトデジカメでなければ出来なかったものですがiPhoneのLive Photoなら撮影後に「長時間露光」を選ぶ事により同様の撮影が可能です。
このようにシーンによっては一眼カメラと遜色ない写真を撮ることも可能です。
まとめ
スマートフォンでの撮影は手軽にどこでも撮影できることが魅力です。
日常の記録用としては最高のガジェットでしょう。
一眼カメラと交換レンズで撮ることは視点の延長をもたらしてくれます。
もっと遠くへ、もっと近くへ、もっと広く・・・。
可能性は広がっています。
家庭にある包丁と料理人の使うさまざまな包丁の違いに近いのかもしれません。
用途によって使い分けていきましょう。
以上、elmarがお送りしました。